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「逆髪忌(さかがみき)」は、能(謡曲)の『蝉丸』に登場する盲目の皇子・蝉丸の姉である「逆髪(さかがみ)」を偲ぶ秋の季語です。逆髪は髪が天に向かって逆立つ奇病に冒され、狂気の発作を抱えて諸国を放浪した悲劇の皇女です。逢坂山(おうさかやま)に庵を結ぶ弟・蝉丸と偶然再会し、互いの過酷な運命を慰め合いながら再び別れていく物語が語り継がれています。蝉丸忌(旧暦八月十五日頃)とともに、秋の風が吹き抜ける逢坂山の寂寥感や、狂気と気品を併せ持った女性の悲哀を象徴する忌日として詠まれます。
「逆髪」という特異な名が示す通り、激しい風に乱れる髪や、秋風の荒々しさと結びつけて詠まれることが多い季語です。逢坂山の関所、琵琶の音、狂気の中にある気品や悲しみといった能の劇的な背景を取り入れると深みが増します。単に悲愴感に流されるだけでなく、秋の澄んだ空気や山を渡る風の鋭さを際立たせるように詠むのがコツです。
・地名・情景:逢坂山、逢坂関、関寺、琵琶湖、山風、峠 ・五感の描写:野分(のわき)、一陣の風、琵琶の音、乱れ髪、薄(すすき) ・心情表現:狂気、流浪、孤高、別離、もののあはれ
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