大毛蓼

大毛蓼

おおけたで

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意味・由来

「大毛蓼(おおけたで)」は、タデ科の一年草で、晩夏から秋にかけて濃い紅色の太い花穂(かすい)を垂れ下げるように咲かせる植物です。草丈は1〜2メートル以上にも達する大型の植物で、茎や葉の全体に軟毛が密生していることからその名が付けられました。東南アジア原産で、江戸時代に観賞用や薬用として渡来しましたが、現在では野生化して道端や空き地、水辺などでも力強く咲く姿が見られます。秋の野にひときわ鮮やかな紅色をもたらす存在感のある季語です。

この季語で詠むコツ

大毛蓼の特徴は、人の背丈ほどにもなる「大きさ」と、房状に垂れ下がる「濃紅色の花穂」、そして全体を覆う「毛の質感」です。小さな野草のタデと違ってダイナミックな量感があるため、遠景からの鮮やかな色彩を捉えたり、雨や風に重たげに揺れる姿に注目すると詩情が生まれます。また、秋の深まりとともに傾ぎながらも咲き誇る、野趣と逞しさを対比させるのも効果的です。

相性のいい言葉・取り合わせ

・色彩・光:くれなゐ、茜(あかね)、夕日、水あかり、日ざし ・天候・気象:秋雨、露、雫、野分(のわけ)、秋風 ・情景・場所:川べり、空き地、傾ぐ、垂る(たる)、重たげ

大毛蓼」の俳句例 (3件)

大毛蓼のくれなゐ垂れて水あかり
詠み人知らず【現代語訳】大毛蓼の濃い紅色の花穂が重たげに垂れ下がり、その傍らの水面がほのかに光を反射している。 【鑑賞】水辺に咲く大毛蓼の鮮烈な紅と、水面の澄んだ光(水あかり)の対比が非常に美しい一首です。秋櫻子らしい色彩感覚の豊かさが発揮されており、秋の湿潤で静謐な空気が鮮明に描かれています。
大毛蓼傾ぎしままに咲き満てる
能村登四郎【現代語訳】大毛蓼が風や自らの重みで傾いてしまったままの姿で、花をいっぱいに咲かせている。 【鑑賞】草丈が高く頭の重い大毛蓼は、秋風や雨で倒れかけることがよくあります。その傾いだ姿のまま懸命に紅の花穂を咲き誇らせている野性味と生命力を、温かく力強い眼差しで捉えています。
大毛蓼雨の雫の重きかな
長谷川櫂【現代語訳】大毛蓼の大きな花穂に秋雨の雫がたまり、いかにも重そうに垂れ下がっていることだなあ。 【鑑賞】大毛蓼の毛に覆われた花穂に雨粒がびっしりと宿り、その重みでさらに深くうなだれている様子を端的に写生しています。秋の冷たい雨の質感と、大毛蓼の存在感が同時に伝わってくる名句です。

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