栗おこは
autumn 生活

栗おこは

くりおこわ

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意味・由来\n「栗おこは(栗強飯/栗おこわ)」は、もち米に剥いた栗を入れて蒸し上げたご飯のことで、実りの秋を代表する味覚の季語です。古くから「強飯(こわめし)」は祭りや祝い事のハレの日のご馳走とされてきましたが、秋の収穫期には新米のもち米にホクホクとした新栗を合わせた「栗おこわ」が家庭や行楽の場で親しまれてきました。黄色く艶やかな栗の甘みと、もちもちとしたご飯の素朴な温もりが、秋深まる季節感を豊かに伝えます。\n\n### この季語で詠むコツ\n炊き立ての白い湯気、艶やかな栗の黄色、胡麻塩のアクセントなど、視覚や嗅覚を生き生きと描写すると美味しさと季節感が際立ちます。また、家族で囲む食卓のぬくもりや、重箱に詰めて出かける秋晴れの行楽、あるいは近隣へのお裾分けといった温かな人情・暮らしの情景と結びつけやすいのも大きな魅力です。\n\n### 相性のいい言葉・取り合わせ\n・調理・食卓の言葉(湯気、セイロ、重箱、折敷、胡麻塩、炊き立て)\n・暮らし・人情の言葉(母、祖母、土産、配る、餉、おもてなし)\n・秋の情景(秋日和、夕餉、厨、縁側、小春)

栗おこは」の俳句例 (3件)

栗おこは父の形見の折敷にて
杉田久女【現代語訳】炊き上がった秋の栗おこわを、亡き父の形見である折敷(おしき=角盆)にのせていただいていることだ。\n【鑑賞】温かい栗おこわの豊かな味わいとともに、父への深い追慕の念が静かに伝わってくる名句です。折敷という日常の器を通じて、故人とのつながりと秋の滋味を端正に描き出しています。
栗強飯隣へ配る夕哉
正岡子規【現代語訳】美味しく炊けた栗おこわを、お隣へもお裾分けして配る秋の夕暮れであることよ。\n【鑑賞】旬の味覚を近所と分かち合う、昔ながらの温かい下町の人情が描かれています。炊き立ての温もりと秋の夕暮れの少し肌寒い空気感が心地よい対比を生んでいます。
栗強飯湯気たつごとく客来り
阿部みどり女【現代語訳】栗おこわの蒸籠からホカホカと湯気が立ちのぼる、ちょうどその絶妙なタイミングで来客があった。\n【鑑賞】蒸したての栗おこわの賑やかな湯気と、思いがけない来客の嬉しさが重なり合っています。家の中が一気に華やぎ、秋の歓待の空気に満たされる瞬間を見事に捉えた一句です。

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