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「若宮能(わかみやのう)」は、春に若宮神社の祭礼などで神前に奉納される能楽を指す季語です。特に古くから知られているのは、京都の八坂神社境内にある若宮(大国主社など)で行われてきた神事能です。冬の張り詰めた空気の中で行われる能とは異なり、春の訪れとともに神の御心を和ませ、五穀豊穣や息災を祈るために舞われます。古式ゆかしい儀礼の厳かさと、春特有の長閑で華やかな気配が美しく調和する伝統行事です。
格調高い神事の幽玄さと、春の穏やかな陽気をどのように響き合わせるかが作句のポイントです。笛の澄んだ音色や鼓の響き、舞い手のきらびやかな装束や面、あるいは舞台となる境内の木々の芽吹きやそよぐ風など、感覚的な描写を取り入れると情景が鮮やかに立ち現れます。「能」という伝統芸能の静けさや格式に寄り添いつつ、春光や境内の賑わいなど、季節の実感をさりげなく添えることで奥行きのある句になります。
・春光(しゅんこう) ・春風(はるかぜ) ・笛の音(ふえのね) ・白木舞台(しらきぶたい) ・神杉(かみすぎ) ・白足袋(しろたび)