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「にたり貝(似たり貝)」は、春の季語で貝類の一種です。ハマグリやアサリ、トリガイなどの美味な食用貝に姿形がよく似ているものの、実際にはそれらとは異なる貝の通称です。地方や時代によって指す貝の具体的な種類はキヌザルガイやエゾヒバリガイなど様々ですが、俳諧の世界では「本物に似ているけれど少し違う」というユーモラスで親しみやすい名前の響きとともに、春の潮干狩りや海辺の風物詩として詠まれてきました。
「にたり貝」という名前そのものに独特の愛嬌と滑稽味があります。そのため、潮干狩りで目当ての貝と見間違えて拾い上げたときの苦笑いのような、日常の些細な楽しさを切り取るのにぴったりです。また、名前に頼りすぎず、春の淡い光を浴びる砂浜の情景や、手のひらに乗せた貝殻の重みや手触りなど、五感を使った具体的な描写と組み合わせることで、春の海ののどかさが一層引き立ちます。
・潮干(しおひ/春の季語) ・春の海(春の季語) ・砂浜、白砂(無季) ・籠、竹笊(無季) ・指先、てのひら(無季)