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「南殿(なでん)」とは、サトザクラ(里桜)の一品種で、晩春に咲く八重桜を表す季語です。淡い紅色のふっくらとした花びらが重なり合い、気品あふれる優美な姿を見せてくれます。その名は、京都御所の正殿である紫宸殿(別名「南殿」)の庭、すなわち「左近の桜」として植えられていたことに由来すると伝えられています。古くから宮廷の雅やかさや高貴な風情を象徴する桜として愛されてきました。
ソメイヨシノが散ったあとに咲く遅咲きの桜であるため、春の深まりや名残を惜しむ情景とともに描くのがおすすめです。「南殿」という言葉自体に典雅で格調高い響きがありますので、古都や寺社、手入れの行き届いた庭園などの静かな空間とよく調和します。重なり合う花びらの陰影、ふくよかな花の重み、夕暮れの淡い光のなかに浮かび上がる様子などを繊細に捉えると、この季語ならではの雅情が際立ちます。
・御簾(みす) ・石段(いしだん) ・春深し(はるふかし・春の季語) ・夕霞(ゆうがすみ・春の季語) ・古刹(こさつ)