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「木の芽山(このめやま)」とは、さまざまな木々が一斉に芽吹き始め、山全体が柔らかく色づいて見える春の山を指す季語です。冬の間の寒々とした枯れ山から一変し、黄緑や萌黄色、赤みを帯びた若芽が混ざり合って、まるで山全体が息づいてふくらんでいるかのような生命感にあふれています。古くから春の訪れを山肌の色の移ろいによって実感した日本人の繊細な自然観が込められた美しい言葉です。
山全体を眺めたときの「色彩の重なり」や「光のやわらかさ」を捉えるのが一番のコツです。単に緑色になったと述べるのではなく、煙るような淡い色合いや、遠くから見たときの山容のふくよかさに着目してみましょう。また、「木の芽山」を背景(遠景)に据え、手前の近景にある里の暮らしや人物の動作、歩く足音などを配置すると、奥行きのある情緒豊かな一句に仕上がります。
・光、日差し、影、風、雲(情景を柔らかく包む無季の言葉) ・萌黄色、淡し、煙る、ふくらむ(芽吹く山の質感や色彩を表す無季の言葉) ・春霞、春風、春光(春の空気感を強調する春の言葉) ・麓、峠、小道、軒先(遠近感を生み出す無季の言葉)