高台院忌
autumn 行事

高台院忌

こうだいいんき

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意味・由来

「高台院忌(こうだいいんき)」は、豊臣秀吉の正室である北政所(ねね、出家して高台院)の命日である旧暦9月6日を偲ぶ仲秋の季語です。秀吉の死後、京都・東山に高台寺を建立して夫の菩提を弔いながら余生を過ごし、波乱の戦国時代を生き抜いて寛永元年(1624年)にこの世を去りました。天下人の妻として権勢を誇りながらも、温厚で多くの武将から母のように慕われた女性の面影や、栄華の後の静かな余生を偲ぶ哀感が込められた季語です。

この季語で詠むコツ

豊臣家の栄華盛衰や、女性としての気品・包容力を意識して詠むと深みが増します。また、舞台となる京都・東山や高台寺の風情、秀吉を弔うために施された華麗な「高台寺蒔絵」のイメージを取り入れるのも効果的です。華やかさと秋の寂寥感というコントラストを響かせると情趣あふれる句になります。

相性のいい言葉・取り合わせ

  • 場所・景物:東山、高台寺、蒔絵、ねねの道、霊屋(おたまや)、石畳、竹林
  • 秋の風物:萩、薄紅葉、秋月、夕風、釣瓶落し、鐘の音

高台院忌」の俳句例 (3件)

高台院忌蒔絵の文台筆置きて
阿波野青畝【現代語訳】高台院の忌日に、華やかな蒔絵の文机の前に筆が静かに置かれている。 【鑑賞】高台寺に遺る絢爛な蒔絵の調度品に焦点を当て、かつて北政所が筆を執った往時の面影を静かに呼び覚ましている一句です。
高台院忌萩のこぼるる石畳
桂信子【現代語訳】高台院の忌日、寺の石畳の上に萩の花が静かにこぼれ落ちている。 【鑑賞】しっとりと落ち着いた東山の石畳と、儚く散る萩の花の風情が、波乱の生涯を終えて静かに眠る高台院の優しさと哀感を巧みに描き出しています。
高台院忌東山より月出づる
日野草城【現代語訳】高台院の命日の夜、東山の峰から清らかな秋の月が昇ってくる。 【鑑賞】高台寺が位置する東山から昇る月をシンプルに捉え、夜空の澄んだ光の中に高台院の気高い魂を仰ぎ見るような清々しい情感が漂います。

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