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「粉茶立(こなちゃたて)」は、晩秋に吹く冷たく乾いた強風を指す季語です。お茶を点てたときの細かな泡立ちのように、地面の細かな塵や砂、あるいは乾いた落ち葉を白く渦巻くように舞い上げる様子から、この名が付けられました。冬の「木枯らし」に至る手前の時期、どこか寂しげで荒涼とした風景のなかに吹く風であり、お茶の産地である宇治などで茶を挽く秋の季節感とも重なり合っています。
ただ激しく吹く風として捉えるのではなく、砂塵がサラサラと舞う「視覚的な細やかさ」や、肌に当たる「チクチクとした冷たさ」を描写するのがコツです。舞い上がった砂が何かに当たる音や、風が通り抜ける際の聴覚的な寒々しさに着目すると、粉茶立という季語が持つ特有の質感が際立ちます。日常の暮らしのなかで感じる、冬支度を急がせるような風の気配を捉えてみましょう。
砂や落ち葉を巻き上げる様子と調和する「障子」「小路」「軒端」「垣根」といった、生活空間のすぐ外側にある事物と好相性です。「巻き上げる」「白む」「遮る」などの動詞や、「暮れかかる」「薄日」といった晩秋の短い一日を感じさせる時間帯の言葉を取り合わせると、風の荒涼とした情緒がよりいっそう引き立ちます。
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