黄つりふね
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意味・由来 黄つりふね(黄釣舟)は、ツリフネソウ科の一年生植物で、秋に山地の湿った木陰や渓流沿いなどで黄色い花を咲かせる植物です。花が細い花茎から揺れるように吊り下がり、帆掛け船のように見えることからその名がつきました。紫赤色のツリフネソウよりやや早く咲き始め、深い山の静けさの中に鮮やかな黄色を灯します。 ### この季語で詠むコツ 黄つりふねを詠む際は、花そのものの可憐な形や色合いだけでなく、生息する環境の「山深さ」や「水の気配」を共に描写するのがコツです。薄暗い木陰や沢のせせらぎ、岩肌の湿り気などと取り合わせることで、鮮やかな黄色の花が静寂の中でパッと引き立ちます。 ### 相性のいい言葉・取り合わせ ・水や湿気を表す言葉(渓流、沢音、岩滴る、水影) ・山の環境を表す言葉(山深し、谷間、木陰、木漏れ日) ・静けさを表す言葉(寂けさ、山寂び、静寂)

黄つりふね」の俳句例 (3件)

黄釣舟谷の深さを疑はず
詠み人知らず【現代語訳】黄釣舟の花が咲いている。この谷がどれほど奥深いものであるか、疑う余地もなく深く実感されることだ。【鑑賞】山奥の湿った谷間にひっそりと揺れる黄釣舟の姿から、谷の幽深な雰囲気を写し取った名句です。黄色の小さな花が山深さと静寂をよりいっそう際立たせています。
黄釣舟日ざしのうすく山深く
清崎敏郎【現代語訳】山深く分け入った場所で、わずかな木漏れ日しか届かない木陰に黄釣舟が咲いている。【鑑賞】薄暗く静かな山中と、そこにぽっと灯ったように咲く黄釣舟の鮮やかな黄色との対比が美しい作品です。山道の清涼感と一瞬の出会いが写実的に詠まれています。
黄釣舟山影深く水移る
飯田蛇笏【現代語訳】深い山の影が映る清流のほとりに黄釣舟が咲き、その姿が澄んだ水面に静かに映り込んでいる。【鑑賞】静まり返った山奥の清流と黄釣舟の情景を見事に切り取った一句です。山影の暗がりと花の色調の調和、そして澄んだ水の気配が美しく響き合っています。

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