金翅雀
autumn 生活

金翅雀

きんしじゃく

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意味・由来

「金翅雀」は「きんしじゃく」と読み、アトリ科の小鳥「マヒワ(真鶸)」の漢名です。秋から冬にかけてシベリア方面から群れをなして日本へ渡ってくる渡り鳥で、翼の一部に鮮やかな黄色の帯(金翅)があることからこの名がつきました。秋の澄んだ日差しのなか、梢から梢へと賑やかに飛び交う姿は、まるで黄色い木の葉が舞っているかのように美しく、古くから秋の深まりを告げる風物詩として俳人たちに愛されてきました。

この季語で詠むコツ

金翅雀を詠む際は、その特徴である「鮮やかな黄色」と「群れをなして軽快に動く様子」に焦点を当てると良いでしょう。秋の寂しげな景色のなかに差し込む、一瞬の明るい光や躍動感を表現するのに適しています。また、渡り鳥としての「旅の情緒」や、梢を揺らす「風の音」「かすかな羽音」を取り入れると、より立体的で情感豊かな句に仕上がります。

相性のいい言葉・取り合わせ

  • 色彩や光を表す言葉:日差し、きらめく、青空、枯枝、夕日
  • 動きや音を表す言葉:こぼるる、群る、さえずり、風、羽音
  • 自然の景観:梢、雑木林、里山、ひだまり、杉の木

金翅雀」の俳句例 (3件)

金翅雀や日はあたりつつ杉の暮
高浜虚子【現代語訳】杉の木が夕暮れの闇に沈もうとしている中で、金翅雀が群れる梢にだけは、まだ西日がきらきらと当たっていることだ。【鑑賞】暮れなずむ杉林の暗がりと、金翅雀がとまる梢に差し込む最後の光との対比が非常に鮮やかです。金翅雀の黄色い羽が、夕日を浴びて一瞬だけ輝く美しさを鋭く捉えています。
金翅雀の一羽に暮るる嵐山
与謝蕪村【現代語訳】秋の嵐山が夕暮れを迎えるなか、最後の一羽の金翅雀が飛び去ると同時に、山全体がすっかり夜の闇に包まれていくようだ。【鑑賞】広大な嵐山の夕暮れという大きな自然の景色を、たった一羽の金翅雀という小さな存在に収束させ、それが去ることで一気に夜が訪れるという劇的な瞬間を表現した名句です。
金翅雀や枯木に交る竹のいろ
正岡子規【現代語訳】金翅雀が飛び交っている。枯れ木の中に青々とした竹が混じって生えている、その静かな景色のなかに。【鑑賞】冬枯れへと向かう茶色い枯木と、常緑の竹の緑という静かな色彩の対比に、金翅雀の羽の黄色いアクセントが加わることで、晩秋の寂しげな庭や山林に繊細な絵画的調和をもたらしています。

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