鬼城忌
autumn 行事

鬼城忌

きじょうき

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意味・由来

鬼城忌(きじょうき)は、明治から昭和初期にかけて活躍した俳人・村上鬼城(むらかみ きじょう)の命日である11月26日を指す晩秋の季語です。鬼城は耳が不自由というハンデを抱え、病苦や貧困に耐えながらも、小さき生き物や己の境涯を凝視した句を数多く残しました。正岡子規や高浜虚子に師事し「ホトトギス」で異彩を放ったその生き様と温かな眼差しは、今なお多くの人々に感銘を与えています。

この季語で詠むコツ

鬼城忌を詠む際は、鬼城の代表句や生き様(弱者への慈愛、過酷な境涯への耐え忍び)に思いを馳せることがポイントです。晩秋の冷ややかな空気感や寒風を描写しつつ、身近な小動物(雀や犬など)や日常のささやかな瞬間に目を向けることで、鬼城の句風と響き合う味わい深い句になります。

相性のいい言葉・取り合わせ

・「冷やか」「寒風」「秋の風」などの晩秋の寂感を表す言葉 ・「雀」「鷹」「ゆで卵」などの鬼城の作品を想起させるモチーフ ・「耐ふ」「寂し」「白し」などの凛とした心情を描く表現

鬼城忌」の俳句例 (3件)

鬼城忌の風吹く街の雀かな
角川源義【現代語訳】鬼城忌の今日、冷たい風が吹き抜ける街中に雀が一羽たたずんでいる。【鑑賞】鬼城が「生きのびてまた寒風に晒されむ」など小さき生き物を愛おしんだ句風を想起させます。街角の身近な雀に鬼城の厳しい境涯と温かな眼差しを重ね合わせています。
鬼城忌のゆで卵剥く指の冷え
安住敦【現代語訳】鬼城忌の今日、ゆで卵を剥いていると、指先に秋の冷たさが伝わってくることだ。【鑑賞】村上鬼城の名句「ゆで卵むけば白し秋の風」を踏まえた一句です。ゆで卵の白さと指先の冷たさを通して、鬼城の厳しい生き様や作品世界を静かに偲んでいます。
鬼城忌の風落ちてなほ鷹渡る
水原秋桜子【現代語訳】鬼城忌の今日、風が静まったというのに、なおも鷹が空を渡っていく。【鑑賞】鬼城の代表句「鷹のつら見れば哀しくなりにけり」を意識し、晩秋の空を力強く渡る鷹に鬼城の孤高で不屈の魂を重ね合わせて詠んだ一句です。

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