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「黍引く(きびひく)」とは、秋の収穫期に、熟したキビ(黍)の株を根ごと引き抜く作業のことです。キビは古くから五穀の一つとして大切に育てられてきた穀物で、その背丈は人の背を超えるほど高く成長し、根も地中にしっかりと張ります。そのため、単に「刈る」のではなく、力を込めて「引き抜く」という力強い農作業が特徴です。引き抜いた後に広がる殺風景な畑の静けさや、晩秋の澄んだ空気、農家の力強い暮らしの移ろいを感じさせる味深い季語です。
「黍引く」という言葉自体に動的なエネルギーが含まれているため、引き抜く際の肉体的な感触や動作、手に残る土の匂いや手ごたえを描写するのがポイントです。また、背の高いキビを引き抜いていくことで、それまで遮られていた空や遠くの山々が急に広く見えてくるといった「視界の変化」を捉えるのも効果的です。収穫の喜びだけでなく、晩秋の寂寥感や力労働の厳しさを対比させると深い句になります。
・身体感覚や動作を表す言葉(力づく、汗、土、手に残る、腰) ・背景や視界の広がりを示す言葉(青空、夕日、遠山、暮れゆく、吹きぬける風) ・農村の日常を表す言葉(夫婦、一休み、我が家、夕煙)
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