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「黄鐘(こうしょう)」とは、陰暦十一月(現在の十二月頃)の異称です。もともとは古代中国の音楽理論である「十二律(じゅうにりつ)」の第一の基本音名に由来します。十二律の各音は一年の十二か月に配当されており、その始まりである黄鐘が冬至を含む陰暦十一月にあてられました。冬至は昼が最も短く夜が最も長い日ですが、ここから再び陽の気が生じる「一陽来復」の節目でもあります。極まる寒さの中に新たな生命の息吹が宿る、格調高く神秘的な響きを持つ初冬・仲冬の時候の季語です。
「黄鐘」という言葉は、音の響きそのものが重厚で雅やかな気品を帯びています。そのため、日常のくだけた生活感よりも、静寂、伝統、自然の凛とした厳しさを詠み込むのに適しています。冬至のころの透き通るような空気感や、底冷えのする夜の静けさ、あるいは古い寺社や書斎などの落ち着いた空間を描くと、季語の持つ音楽的な美しさが引き立ちます。言葉の格調に負けないよう、選び取る言葉も少し引き締まったものにすると調和が取れます。
・自然や気候を表す言葉(寒月、凍つ、霜夜、澄む、木枯、冬至) ・静寂や空間を表す言葉(古刹、甍、静寂、帳、書斎、深鈴) ・光や動きを表す言葉(幽か、兆す、冴ゆ、響く、微光)
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