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「上の弓張(かみのゆみはり)」とは、陰暦の毎月七日・八日頃に見られる「上弦の月」の風雅な表現です。西の空に沈む際、半月のまっすぐな弦(つる)の部分が上を向き、丸い円弧(弓の形)が下を向くことから「上の弓張」と呼ばれます。特に空が澄み渡る秋の「上の弓張」は美しく、冷ややかな空気の中で弓をキリリと引き絞ったような、心地よい緊張感と清澄な美しさをたたえています。
この季語は、単なる「月」や「上弦の月」という言葉よりも、古風で凛とした響きを持っています。そのため、夜の静寂や、張り詰めた空気感を表現するのに適しています。月そのものを克明に描写するだけでなく、その光が照らす地上の風景や、作者自身の静かな心の動き(寂寥感や内省的な思い)を重ね合わせると、より深みのある句になります。
弓の張るイメージから、「弦」「矢」「引く」「放つ」といった弓矢を連想させる言葉や、「冴える」「冷ややか」「澄む」といった秋の夜の冷涼な空気感を表す言葉と好相性です。また、静かに佇む木々(松や杉)や、古い建物、山影など、シルエットがはっきりしたモチーフと組み合わせることで、絵画的な美しさを引き出すことができます。
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