伊勢踊

伊勢踊

いせおどり

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意味・由来\n「伊勢踊(いせおどり)」は、秋の季語で、伊勢信仰や伊勢参宮の流行に伴って全国に広まった集団舞踊(風流踊り)を指します。室町時代末期から江戸時代にかけて庶民の間で熱狂的に踊られ、伊勢音頭などの調べに合わせて大勢で輪になり、拍子を取って賑やかに踊り歩きました。秋祭りの奉納や豊作への感謝、お盆の踊りとも結びつき、庶民の生命力と信仰心が溢れ出る華やかで活気のある行事です。\n\n### この季語で詠むコツ\n伊勢踊の魅力は、その「群舞の熱気」と「秋の夜の情緒」の対比にあります。踊り手の衣装の華やかさ、手拍子や足拍子の揃う音、鉦や太鼓の響きなどの聴覚・視覚情報を具体的に捉えると臨場感が出ます。また、狂乱の後のふとした静けさ、夜風の冷たさ、澄んだ秋の月といった情景と対比させることで、秋ならではの哀愁や無常観を深めることができます。\n\n### 相性のいい言葉・取り合わせ\n- 音や動作の言葉: 手拍子、足拍子、鉦(かね)、太鼓、群衆、輪、裾\n- 秋の景物: 澄む月、秋風、夜寒、松明、提灯、砂埃、宮居

伊勢踊」の俳句例 (3件)

伊勢踊神のみそなふ庭もなし
松尾芭蕉【現代語訳】伊勢踊の賑やかさに、神様が御覧になる庭の空き地さえもないほど群衆で埋め尽くされている。\n【鑑賞】伊勢踊のすさまじい熱気と群衆の多さを「神がご覧になる庭すらない」と誇張を交えてダイナミックに詠み切った芭蕉の句です。民衆の信仰心と祭りのエネルギーが見事に表現されています。
伊勢踊町十町をめぐりけり
宝井其角【現代語訳】伊勢踊の群れは、町を十町もの長さにわたって練り歩き巡っていくことだ。\n【鑑賞】江戸の風流を詠む其角らしく、町中を練り歩く伊勢踊のスケール感と華やかさを伸びやかに捉えています。踊りの列がどこまでも続き、町中が祝祭空間に染まる情景が目に浮かびます。
伊勢踊ふみしだかれて草もなし
森川許六【現代語訳】大勢で伊勢踊を踏み鳴らして踊ったため、地面の草も踏み折られて跡形もなくなっている。\n【鑑賞】踊り手たちの激しい足拍子と長時間にわたる熱狂を、地面の草が踏みしだかれた様子を通して描写しています。熱狂の跡に残るリアリティのある光景が、踊りの迫力を雄弁に物語っています。

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