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「稲熱田(いもちだ)」とは、稲の重要病害である「いもち病(稲熱病)」に侵された田んぼのことです。「いもち」は稲が熱病に侵されたように葉や穂が赤褐色や灰白色に変色し、立ち枯れてしまう糸状菌(カビ)による病害です。冷夏や長雨、日照不足などの天候不順によって多発し、収穫に甚大な打撃を与えるため、古くから農家にとって最も恐れられてきた災害の一つでした。秋の豊かな実りとは対照的な、荒涼としたもの悲しさや農作業の労苦、天候へのやるせなさが滲む晩秋の季語です。
「実りの秋」の華やかさとは真逆の、赤茶けて衰弱した田の情景や、それを見つめる人の哀切を描き出すのがポイントです。単に病気の稲を説明するのではなく、夕暮れの光や冷たい秋風、立ち込める湿気や曇天の空といった「重苦しい空気感」を五感を使って表現すると、季語の持つ憂いと深みがぐっと引き立ちます。
・視覚・光景:夕日、薄暮、暮色、曇天、赤茶色、立ち枯れ ・触覚・気象:冷風、湿気、長雨、やませ、冷気 ・情緒・心情:立ち尽くす、無気力、憂ひ、静まり返る、見舞ふ
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