跳人

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はねと

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意味・由来

「跳人(はねと)」は、初秋(8月上旬)に行われる青森県を代表する夏祭り「青森ねぶた祭」において、巨大な山車灯籠の周りで「ラッセラー、ラッセラー」という威勢のよい掛け声とともに乱舞する踊り手たちを指す季語です。白地に鮮やかな模様の浴衣をまとい、たすきや花笠を身につけ、衣装にたくさんの鈴を下げて片足ずつ交互に跳び跳ねる独特の踊りを披露します。古来の厄払いや眠気を祓う「眠り流し」に由来し、短い北国の夏を燃やし尽くすかのような圧倒的な熱狂と躍動感が宿る季語です。

この季語で詠むコツ

「動と静」「熱狂と静寂」のコントラストを意識することが作句のポイントです。祭りの最中の凄まじい跳躍や飛び散る汗、夜空に響く掛け声を力強く描写するのはもちろん、祭りが終わった後の疲労感や静まり返った街、舗道に転がる落とし鈴などを捉えると、熱狂の余韻と一抹の哀愁が際立ち、句に深い奥行きが生まれます。視覚的な激しさだけでなく、鈴の音や太鼓の地響きといった聴覚的アプローチも非常に効果的です。

相性のいい言葉・取り合わせ

  • 装束・持ち物:鈴、花笠、襷(たすき)、白足袋、汗
  • 音・掛け声:ラッセラー、囃子、笛、太鼓、地鳴り、歓声
  • 背景・情景:夜気、街あかり、アスファルト、闇、夜明け、潮風

跳人」の俳句例 (3件)

跳人の鈴を拾ひて旅終る
長谷川櫂【現代語訳】ねぶたの跳人が激しい乱舞の中で落としていった鈴を拾い上げ、私の旅も締めくくりを迎えた。 【鑑賞】祭りの喧騒が去った路上に残された小さな鈴。それを拾い上げる行為を通じて、旅人が味わった熱気と、祭りの後の心地よい静けさ、そして旅の終わりに伴う一抹の寂寥感が見事に対比されて描かれています。
跳人の影も跳ねをりみちのくは
高野ムツオ【現代語訳】跳人の実体だけでなく、路上に落ちるその黒い影までもが激しく跳ね踊っている。このみちのくの地にあっては。 【鑑賞】東北の風土と人々の魂を詠み続ける現代俳句の巨匠による名句。跳人の肉体のみならず、地面に落ちる「影」までもが夜の熱狂に憑かれたように乱舞する姿に、北国の厳しい冬を乗り越えて夏を爆発させる人々の逞しい生命力が刻まれています。
跳人の闇へ飛び込み飛び出しぬ
原子公平【現代語訳】跳人たちが夜の濃い闇の中へと飛び込み、また照明の光の中へと飛び出してきた。 【鑑賞】青森出身の俳人による躍動感あふれる句。鮮烈なねぶたの明かりと北国の深い闇の境界を、狂気すら感じさせるエネルギーで行き来する跳人たちの野生的な躍動美が鋭く捉えられています。

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