筥崎放生会

筥崎放生会

はこざきほうじょうえ

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意味・由来

「筥崎放生会(はこざきほうじょうえ)」は、福岡市東区にある筥崎宮(筥崎八幡宮)で毎年9月12日から18日にかけて行われる秋の例大祭です。地元博多では「ほうじょうや」と親しみを持って呼ばれ、博多どんたく、博多祇園山笠と並ぶ「博多三大祭り」の一つに数えられます。 その起源は「万物の生命を慈しみ、殺生を戒める」という仏教の教えに基づき、延喜21年(921年)に始まったと伝えられる千年以上もの伝統ある神事です。期間中は参道に数百軒もの露店が立ち並び、秋の訪れを告げる風物詩として百万人規模の人出で賑わいます。また、名物の「おはじき」や、葉が付いたまま束ねられた「新姜(葉生姜)」を買い求める風習が古くから知られています。

この季語で詠むコツ

筥崎放生会は、単なる厳かな宗教行事にとどまらず、庶民のエネルギーと秋風の物寂しさが交錯する独特の情緒を持っています。 詠む際には、筥崎宮ならではの景物を具体的に捉えるのが効果的です。博多湾に面した境内を吹き抜ける「松風」や「潮騒」、参道に青々と並ぶ名物の「新姜(葉生姜)」、素朴で美しい「おはじき」、あるいは露店の賑わいと祭りの後の夜の静けさといった対比を意識すると、博多の秋の情景が鮮やかに立ち上がります。

相性のいい言葉・取り合わせ

・風物:新姜(葉生姜)、おはじき、露店、提灯、見世物小屋 ・自然・情景:松風、千代の松原、潮騒、博多湾、夜風、初秋の月 ・情緒・動作:詣づ、提げて帰る、人波、更くる、明滅

筥崎放生会」の俳句例 (3件)

放生会の生姜を提げて帰りけり
吉岡禅寺洞【現代語訳】筥崎宮の放生会詣でをすませ、名物の青々とした葉生姜を手に提げて家路についたことだ。 【鑑賞】福岡で活躍した禅寺洞による、生活感と祭りの情緒が美しく調和した一句です。筥崎放生会の露店で売られる葉生姜は「食べると風邪を引かない」とされる縁起物。秋の気配が漂い始めた夜風の中、生姜の爽やかな匂いを提げて歩く博多の人々の温かな日常が生き生きと伝わってきます。
放生会の生姜の束の青々し
富安風生【現代語訳】放生会の参道に並ぶ新姜の束が、みずみずしく青々と目に鮮やかであることだ。 【鑑賞】筥崎放生会の名物である葉生姜のみずみずしい色彩に焦点を当てた、写生眼が光る一句です。秋の初めのまだ残暑の残る空気の中で、採れたての生姜の鮮やかな緑と辛みのある香りが、祭りの活気とともに五感を刺激します。
放生会の夜潮ひびきて松暗し
野見山朱鳥【現代語訳】放生会の夜、海からの潮騒が低く響きわたり、筥崎宮の松原はどこまでも深い闇に包まれている。 【鑑賞】筥崎宮の背後に広がる玄界灘の気配を捉えた重厚な句です。参道の賑やかな灯りや喧騒から一歩離れると、海風にざわめく雄大な松林と暗い夜潮の音が迫ってきます。生命を放ち慈しむ放生会の夜に、自然の雄大さと厳粛な気配を感じさせる名句です。

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