五老井忌
autumn 行事

五老井忌

ごろうせいき

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意味・由来\n「五老井忌(ごろうせいき)」は、江戸時代中期の俳人・炭太祇(たん たいぎ、1709〜1771年)の命日である旧暦8月8日を偲ぶ初秋の季語です。「太祇忌(たいぎき)」とも呼ばれます。炭太祇は江戸に生まれ、のちに京都の島原に草庵「不夜庵(ふやあん)」を結び、別号を五老井と称しました。与謝蕪村らと深く交わり、天明俳壇の興隆に大きな役割を果たした重要人物です。市井の人々の暮らしや遊里の情趣、人情の機微を温かく繊細なまなざしで詠み上げた太祇の句風を追慕し、秋の訪れとともにその遺徳を偲びます。\n\n### この季語で詠むコツ\n炭太祇の人柄や作風に寄り添い、どこか人情味のある情景や、京都・島原の風情、初秋の少し寂寥感を帯びた夕暮れなどの空気感を切り取るのがコツです。大げさに嘆き悲しむのではなく、太祇が生前愛したさりげない日常のひとコマや、秋風が立ち始める季節の移ろいを取り合わせることで、味わい深い追悼の一句になります。\n\n### 相性のいい言葉・取り合わせ\n・地名・場所:島原、京、柳、路地、格子、茶屋\n・時候・自然:初秋、秋風、秋雨、夕月、灯火、夕暮れ\n・暮らし・情緒:酒、一輪挿し、古暖簾、豆腐、紅(べに)

五老井忌」の俳句例 (3件)

太祇逝ていく秋風の吹そむる
与謝蕪村【現代語訳】無二の親友であった太祇が逝去して、早くも秋風が身にしみて吹き始めてきたことだ。【鑑賞】太祇の死を悼んで蕪村が詠んだ追悼句です。友を失った深い喪失感と、季節が秋へと移り変わり吹き抜ける風の冷たさが重ね合わされ、胸を打つ寂寥感が漂っています。
太祇忌や京の夕餉の豆腐汁
正岡子規【現代語訳】太祇忌の今日、京都の町家からは夕食の質素な豆腐汁の湯気が立ちのぼっている。【鑑賞】太祇が愛した京都の飾らない庶民の暮らしぶりを「豆腐汁」という日常的な素材で表現しています。太祇の人情味あふれる句風への敬愛が込められた一句です。
太祇忌や紅さしかへて出る廊下
日野草城【現代語訳】太祇忌の夕暮れ、遊女が唇の紅を塗り直して艶やかに廊下へと出ていく。【鑑賞】太祇が庵を結んでいた京都の花街・島原の情趣を捉えた句です。太祇が得意とした艶麗で繊細な風俗描写を受け継ぐような、色香と哀愁が同居する美しい作品です。

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