含羞忌
autumn 行事

含羞忌

がんしゅうき

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意味・由来\n「含羞忌(がんしゅうき)」は、近代日本を代表する詩人・中原中也の忌日である10月22日を指す秋の季語です。「中也忌」とも呼ばれます。「含羞」という言葉は、中也の詩『含羞(はじらい)』に由来しており、彼の生き方や作品に一貫して流れる、繊細で傷つきやすく、どこか恥じらいを帯びたロマンチシズムを象徴しています。1937年(昭和12年)に30歳という若さで夭折した中也を偲び、その文学世界に思いを馳せる、哀愁に満ちた現代の季語です。\n\n### この季語で詠むコツ\n中原中也の詩のタッチ、すなわち「都会の孤独」「青春の破綻」「少年の日の郷愁」「夜や風、星への感傷」などを意識して詠み込むと、季語の背景にある文学的な香りが引き立ちます。単に故人を追悼するだけでなく、自分自身の内面にある「気恥ずかしさ」や「若き日の挫折感」、あるいは秋の深まりゆく寂寥感を、中也の詩的なイメージに重ね合わせて表現するのがコツです。\n\n### 相性のいい言葉・取り合わせ\n中也の詩を連想させるロマンチックで少しアンニュイな言葉がよく似合います。例えば「帽子」「雨」「ブランコ」「トランプ」「舗道」「星」「夜風」「月」「錆びた」「汚れ」など、少しノスタルジックで感傷的な名詞を取り合わせることで、含羞忌が持つ特有の情緒がより鮮明に浮かび上がります。

含羞忌」の俳句例 (3件)

含羞忌やこころに汚れなき日なし
大牧広【現代語訳】中原中也を偲ぶ含羞忌であるが、私の心には一日として汚れのない日などないものだ。\n【鑑賞】中也の代表的な詩「汚れっちまった悲しみに……」を強く意識した一句。自らの心の「汚れ」を自嘲気味に見つめることで、中也の無垢な魂と対比させ、深い敬意と追悼の意を表しています。
含羞忌中也の帽子より丸く
鷹羽狩行【現代語訳】含羞忌を迎えた今日、空に浮かぶ月は、中原中也が好んで被っていたあの黒い帽子よりも、さらに丸く輝いている。\n【鑑賞】中也のトレードマークであった黒いハット(帽子)をモチーフにした瑞々しい句です。帽子という具体的な遺品から、中也のシャイな横顔や秋の夜の寂しげな光景を想起させます。
含羞忌トランプの絵の皆うつむき
小澤實【現代語訳】中原中也の忌日である今日、手元のトランプを眺めると、描かれた人物たちの絵がみな恥ずかしそうにうつむいているように見える。\n【鑑賞】トランプのカードに描かれた王や女王、兵士などの絵柄がすべて「うつむいて」いるように見えるという、中也の詩に通じる繊細でどこか哀愁漂うファンタジー。含羞忌にふさわしい内省的で静かな世界が表現されています。

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