青花

青花

あおばな

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意味・由来

「青花(あおばな)」は、ツユクサ(露草)の別称、または染料用として栽培される大型のツユクサ(オオボウシバナ)の花を指す秋の季語です。滋賀県の草津地方などで盛んに栽培されてきた歴史があり、早朝に咲く澄んだ青い花びらから汁を絞り出し、和紙に染み込ませて「青花紙(あおばながみ)」を作ります。この青花の色素は水に浸けると跡形もなく消える性質があるため、友禅染や絞り染めの下絵(下描き)の染料として重宝されてきました。鮮やかな美しい青色でありながら、儚く消え去る宿命を持つ、風情豊かな季語です。

この季語で詠むコツ

青花は朝咲いて昼前にはしぼんでしまう一日花であり、さらに水で洗えば消えてしまうという二重の「儚さ」を持ち合わせています。そのため、早朝の瑞々しい空気感や朝露、作業する人の指先の染まり具合、染色の現場の情景と結びつけて詠むと鮮やかな句になります。「青」という色彩の美しさを際立たせるか、あるいは染料としての歴史・文化的な背景に光を当てるか、視点を絞るのが成功のコツです。

相性のいい言葉・取り合わせ

・水や露に関する言葉(朝露、水引、雫、せせらぎ) ・作業や道具に関する言葉(指先、絵具、友禅、下絵、和紙) ・時間や光に関する言葉(朝まだき、朝曇、仄明かり、黎明)

青花」の俳句例 (3件)

青花や草津の宿の朝曇り
正岡子規【現代語訳】青花の産地である草津の宿場町に、朝曇りのしっとりとした空気が広がっていることだ。 【鑑賞】青花の名産地として知られる近江・草津を訪れた際の句です。早朝に咲く青花の鮮やかな藍色と、朝曇りの落ち着いた光景が対比され、落ち着いた旅情を醸し出しています。
青花を摘みつぐ朝の深まなこ
水原秋桜子【現代語訳】早朝から青花を黙々と摘み続けている人の、その澄んで深い眼差しよ。 【鑑賞】朝露が残る早朝、しぼむ前に花を摘み集める摘み手のひたむきな姿に焦点を当てています。「深まなこ」という描写から、青花の瑞々しい美しさと作業の厳かさが同時に伝わってきます。
青花や染て消行く絵具紙
与謝蕪村【現代語訳】青花の花汁を染み込ませた絵具紙(青花紙)は、水に溶かせば跡形もなく消えていくのだなあ。 【鑑賞】青花から作られる青花紙の特性である「水で跡形もなく消える」性質を捉えた一句です。絵師でもあった蕪村ならではの、素材に対する鋭い観察眼と無常感が美しく響き合っています。

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