秋の江

秋の江

あきのこう

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意味・由来

「秋の江(あきのこう/あきのえ)」とは、秋の大きな川や入り江、湖などの水辺の情景を指す季語です。「江」は古くから大河や海に通じる入江を意味し、漢詩の伝統を引く格調高い響きを持っています。秋になると空気が澄み、川や湖の水も冷ややかに澄み渡ります。夏のような荒々しさが去り、静けさ、寂寥感、広がりが感じられる水景を表すのにふさわしい季語です。

この季語で詠むコツ

「秋の江」は、視界の広がりや静寂のトーンを持つため、大きな水面と対比させる小さな対象(一艘の小舟、水鳥、杭、夕日、影など)を配すると情景が鮮やかに立ち上がります。また、水の「澄み」「引き潮」「水嵩の減り」といった秋ならではの水位や水質に着目するのも効果的です。哀愁や旅愁、別れの感情などを風景に託して詠むことで、奥行きのある句に仕上がります。

相性のいい言葉・取り合わせ

・水辺の情景:小舟、網代、杭、葦、砂州、白鷺 ・光と影:夕日、暮色、影法師、月影、朝霧 ・動詞・形容詞:澄む、落ちる(減水する)、暮るる、遠ざかる、広がる

秋の江」の俳句例 (3件)

秋の江や水落つくす石の数
与謝蕪村【現代語訳】秋の大きな川の水がすっかり引き、川底の無数の石があらわになっていることだ。 【鑑賞】秋の渇水期を迎えた川の情景を写生した一句です。水が澄んで引いたあとに残る石の多さに着目することで、秋の訪れによる寂寥感と、乾いた澄明な大気の広がりを見事に捉えています。
秋の江に舟泛べたる別れかな
高浜虚子【現代語訳】秋の静かな川に舟を浮かべて、旅立つ人を見送る別れであることよ。 【鑑賞】澄んだ秋の川面と、そこから漕ぎ出していく舟の別離の情を詠んだ句です。「秋の江」という漢詩的な季語が持つ哀愁と、水辺の広がりのある景色が、惜別の切なさを一層際立たせています。
秋の江の遠くひらくる日暮かな
日野草城【現代語訳】秋の大きな川が遠く彼方まで広がっている、その雄大な夕暮れであることだ。 【鑑賞】視界が遙か先まで開けていく秋の大河の夕暮れを描いています。澄み切った秋の光が落ちていく夕刻の静けさと、大自然のスケールの大きさが美しく調和した一句です。

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