残菊の宴

残菊の宴

ざんぎくのえん

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意味・由来\n「残菊の宴(ざんぎくのえん)」とは、旧暦九月九日の「重陽の節句」が過ぎた後に、なお咲き残っている菊を愛でながら開かれる酒宴のことです。平安時代の宮中行事「残菊宴」に由来し、季節の盛りを過ぎてなお香り高く咲く菊を愛惜し、深まる秋の風情を味わう雅やかな宴を指します。満開の華やかさとは異なり、移ろいゆく季節の寂寥感や、枯れゆくものへの風情(わび・さび)が色濃く漂う晩秋の季語です。\n\n### この季語で詠むコツ\n単なる賑やかな飲み会として描くのではなく、宴のあとに残る余韻や、深まりゆく夜の冷気、咲き残る菊の気品や哀愁を捉えるのがポイントです。「残る」「惜しむ」「暮れる」「静まる」といった情調のある場面と合わせることで、晩秋ならではのしっとりとした情緒を深めることができます。\n\n### 相性のいい言葉・取り合わせ\n・道具・飲食:盃、酌、美酒、灯火、燭台\n・時間・空間:宵、夜寒、更くる夜、古寺、座敷\n・情景・心情:名残、静けさ、老い、影、風の音

残菊の宴」の俳句例 (3件)

残菊の宴終りて月明し
正岡子規【現代語訳】残菊の宴が静かに終わり、人々が去ったあとには、ただ澄み渡った月の光が辺りを明るく照らしている。【鑑賞】賑わいが去ったあとの静寂と、冷ややかに照らす月の光のコントラストが見事な一句です。宴の余韻とともに、晩秋の澄んだ空気感や寂寥感が美しく立ち現れています。
残菊の宴に侍すや月の前
詠み人知らず【現代語訳】残菊の宴の席にはべり控えていると、目の前に美しい月が輝いている。【鑑賞】古典的な宮廷の雅やかさを現代の感覚で蘇らせた格調高い作品です。咲き残る菊の気品と、秋の夜空に冴えわたる月光とが調和し、洗練された王朝美を感じさせます。
残菊の宴すみてより夜寒かな
河東碧梧桐【現代語訳】名残の菊を愛でる宴が終わり、座が静まるにつれて、夜の肌寒さがひとしお身に染みて感じられる。【鑑賞】宴の温もりや談笑が引いたあと、ふと訪れる季節の冷気を鋭敏に捉えています。晩秋から初冬へと移り変わる寒さを、残菊の宴の終わりを通して実感させる名句です。

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