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「月の主(つきのあるじ)」は、秋の美しい月を心から愛でて楽しんでいる人、または月見の宴を取り仕切る主人を指す季語です。古代中国や日本の風雅の伝統において、自然の美景を最も深く愛し風流を解する者を「主(あるじ)」と呼んだことに由来します。場合によっては、天上で輝く月そのものを擬人化して呼ぶこともありますが、俳諧においては多くの場合、月光を一身に浴びて風流に浸る人物の風情や敬意を込めて使われます。
自分自身を「月の主」と称して少し気取ったユーモアや風流心を出すか、あるいは月下で佇む他者(同席の友人、庵の住人、時には動物など)を「月の主」に見立てて詠むのがコツです。単に月を見るだけでなく、どのような設えで月を迎えているのか、どんな佇まいで夜を過ごしているのかといった「人物の所作や空気感」を描き込むことで、言葉の持つ雅曲な雰囲気がぐっと引き立ちます。
・生活や道具に関する言葉:酒盃、縁側、草庵、門、灯火、茶の湯 ・風情や動作を表す言葉:独坐、微睡む、招く、寝入る、盃を交わす ・自然の景物:夜気、影、虫の声、庭の薄(すすき)