季語辞典で見つけた素敵な言葉を使って、今日の一句を詠んでみませんか?無料で投稿でき、他の愛好家と交流できます。
「鳥曇(とりぐもり)」とは、仲春から晩春にかけて、冬を日本で過ごした渡り鳥たちが北の故郷へと帰っていくころの、どんよりと一面に広がる曇り空を指します。鴨や白鳥、ツグミなどが北へ旅立つこの季節は、春特有の湿り気を帯びた重たい空模様になりやすく、その情景を鳥たちの旅立ちと結びつけて名付けられた情趣ある季語です。単なる悪天候の曇り空ではなく、鳥たちの去りゆく寂しさや旅情、かすかな哀愁が漂う独特の空気感を含んでいます。
必ずしも空に鳥の群れが飛んでいる必要はありません。「鳥曇」という言葉そのものに渡り鳥の気配が含まれているため、広がる灰色の空や、鳥たちが去って静まり返った水辺などを描写するだけでも情景が立ち上がります。また、春の別れや旅立ちといった人の心の揺らぎとも非常に相性が良い季語です。湿った風の感触、水面の鈍い光、遠くかすむ山並みなど、五感を使った静かな描写と取り合わせることで、深みのある一句に仕上がります。
・水辺の情景(湖、入江、干潟、川波、渡し舟) ・広がりを感じさせる言葉(遠山、岬、水平線、街道) ・人の気配や動作(見送る、旅装、佇む、靴音)