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「防風(ぼうふう)」は、セリ科の海浜植物である「浜防風(ハマボウフウ)」のことです。海岸の砂地に自生し、風を防ぐように砂に深く根を張ることからその名がつきました。春になると砂の中から赤紫色を帯びた柔らかい新芽を覗かせます。この若芽や根は刺身のつまや天ぷら、酢の物などに使われ、特有の芳香とほろ苦さを持つ春の味覚として古くから親しまれてきました。砂深く伸びた根を傷つけないように道具を使って掘り出す作業を「防風掘る」といい、春の海辺の風物詩として知られています。
防風は砂の中に深く潜っているため、掘り出すには腰をかがめ、砂を丹念に払い落とすような根気のいる作業が必要です。そのため、砂浜特有の触感や、砂を掘る手元の動き、あるいは作業する人の姿勢に着目すると生き生きとした句になります。また、春の穏やかな陽射しや、時折吹き抜ける強い潮風、打ち寄せる波の音など、海辺ならではの風景や空気感を背景に取り合わせることで、春の砂浜の情景を鮮やかに立ち上がらせることができます。
・道具や動作:小さな鋤、籠、砂を払う、指先、しゃがむ ・海辺の情景:白砂、波音、潮の香、浜風、渚、足跡 ・春の気候:春の日差し、うららか、春光、薄日