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「種蒔おっこ」は、主に東北地方などで鳥のツツドリやカッコウなどを親しみを込めて呼んだ方言に由来する春の季語です。「おっこ」とは地方の言葉で「おじいさん(爺っこ)」を意味し、春になると山から聞こえてくる鳥の鳴き声が「種を蒔け、種を蒔け」と呼びかけているように聞こえることから、農作業を始める目安として大切にされてきました。厳しい冬を耐え抜いた雪国の人々にとって、春の訪れと農事の始まりを告げてくれる、温かく親しみ深い存在です。
素朴で愛嬌のある音を持つ季語ですので、気取らずに山里や農村ののどかな春の暮らしを描くのが効果的です。鳥そのものの姿を探すというよりは、畑仕事の合間にふと遠くの山や森から鳴き声が聞こえてくるような、「音」や「気配」を主軸に置くと臨場感が出ます。土を耕す手の温もりや、空の青さ、やわらかな風などを取り合わせ、農の営みと自然が調和するあたたかな情景を言葉にしてみましょう。
・鍬(くわ)、畑、畝(うね)、土などの農作業にまつわる言葉(無季) ・遠山(とおやま)、山里、日差し、青空などの穏やかな自然の描写(無季・春) ・苗代(なわしろ)、春風(はるかぜ)などの春の訪れを感じさせる言葉(春)