秋思

秋思

しゅうし

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意味・由来\n「秋思(しゅうし)」とは、秋の気配に誘われてふと心に湧き起こる、物悲しさや寂しさ、切ない思いを指す季語です。古代中国の漢詩に由来し、万物が衰えゆく秋の情景と人生の哀歓を結びつけた心情を表現しています。単なる悲しみではなく、秋の静けさや涼しさに包まれて自らを省みるような、深く澄んだ「もの思い」のニュアンスを含みます。\n\n### この季語で詠むコツ\n「秋思」自体が主観的な感情を表す強い言葉であるため、句の中でさらに「寂しい」「悲しい」といった直接的な感情表現を重ねないことがポイントです。日常の何気ない動作(本を閉じる、眼鏡を拭く、灯りを消すなど)や、身の回りの具体的な静かな情景を取り合わせることで、読者にその心の揺れを自然に想像させることができます。\n\n### 相性のいい言葉・取り合わせ\n・身近な動作(灯を消す、椅子を引く、鏡を見る、手紙を書く、歩みを止める)\n・静寂や陰影を感じさせる名詞(夕暮、窓硝子、古書、遠音、余白)\n・時間や空間の広がり(夜長、旅路、机上、一人)

秋思」の俳句例 (3件)

日暮れてはまた秋思あり硝子拭く
星野立子【現代語訳】日が暮れてくると、またしても秋のもの思いが胸に満ちてきて、ただ静かに窓ガラスを拭いている。\n【鑑賞】夕暮れ時の薄暗がりの中で、拭き掃除という日常の動作に没頭しながらも、ふと湧き上がる秋思に囚われる繊細な女性心理が素直に捉えられています。
秋思あり人語とぎれし後のこと
加藤楸邨【現代語訳】賑やかに交わされていた人の話し声がふっと途切れたあと、深い秋のもの思いが押し寄せてきた。\n【鑑賞】話し声が止んだ瞬間に訪れる静寂の深さと、そこに忍び寄る孤独感や人生の物思いを見事に取り合わせた一句です。
こころみに妻の座坐りて秋思あり
安住敦【現代語訳】試しに亡き妻がいつも座っていた場所に腰を下ろしてみると、切ない秋のもの思いがこみ上げてきた。\n【鑑賞】いつもは座らない妻の定位置に座ってみるという具体的で率直な行動から、失った人への思慕と深い哀惜の念が伝わってきます。

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