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「夏隣る(なつどなる)」は、春の終わりを告げる晩春の季語です。「夏隣(なつどなり)」とも言います。文字通り、すぐ隣の部屋まで夏がやって来ているかのように、季節の境目を空間的な近さとして捉えた風情ある表現です。春の柔らかな光の中に、ふとした瞬間に初夏を思わせる力強い日差しや爽やかな風を感じ、春が去りゆく寂しさと、眩しい季節が間近に迫っている高揚感を同時に抱かせる情緒豊かな言葉です。
すでに完全に夏になってしまっては「初夏」など夏の季語になってしまいますので、あくまで「春の終わり」であることを意識するのが大切です。日差しを受けた坂道の眩しさ、木々の梢を揺らす乾いた風、夕方の少し伸びた影など、日常の中でふと夏の気配を敏感に察知した一瞬を捉えましょう。去りゆく春への名残惜しさと、新しい季節の訪れを予感する心の揺らぎを素直に言葉に落とし込むと、奥行きのある句になります。
日差し、石畳、白壁、波の音、自転車、路地、窓辺、日時計、坂道、洗い立てのシャツ