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「目借り時(めかりどき)」とは、春の暖かな日差しの中で強い眠気に襲われる時候を指す、とても風情のある季語です。その由来には諸説ありますが、冬眠から目覚めた蛙が人間の目を借りていくために眠くなるという、昔ながらのユーモラスな俗説がよく知られています。また、鳥や獣が求婚する「妻狩り時(めかりどき)」が転じたという説もあります。「春眠」と似ていますが、どこか民話のような愛嬌と不思議な響きを持つのがこの季語の魅力です。
単に「眠くてたまらない」と感情をそのまま述べるのではなく、眠気に誘われる具体的な日常の場面を描くのが成功の秘訣です。たとえば、開いたままの手のひらから本が滑り落ちそうになる瞬間や、仕事の手がふと止まってしまう様子、まどろみの中で遠くの音をぼんやり聞いている情景などを切り取ってみましょう。少し脱力した、のんびりとした日常風景と非常によく調和します。
・読書、眼鏡、机(手元の作業が止まる情景を描く無季の言葉) ・あくび、まどろみ、ため息(眠気を感じさせる無季の動作) ・縁側、窓辺、畳(心地よい居場所を示す無季の言葉) ・春風、春日(春の穏やかさを添える同季の言葉)