片鶉
autumn 生活

片鶉

かたうずら

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意味・由来

「片鶉(かたうずら)」は、つがいの相手を失ったり、あるいは群れから離れて一羽だけで寂しげに鳴いている鶉(うずら)を指す秋の季語です。鶉は秋の草むらなどで「キョッキョッ」と寂しげな声で鳴く鳥として古来より詩歌に親しまれてきましたが、その中でも「片」という一文字が加わることで、孤高の静けさや、連れを失った哀愁、孤独感がより強く引き立ちます。秋の深まりとともに、もの寂しさが極まる時期の心情を託すのに最適な季語です。

この季語で詠むコツ

「片鶉」が持つ「孤独」や「寂寥感」を前面に押し出すのが基本ですが、単に「寂しい」と言葉にするのではなく、周囲の風景の静けさや、風の音、草むらの枯れ色などを描写することで、間接的に一羽の鳥の存在感を際立たせると効果的です。また、現代の生活の中でふと感じる孤独感や、取り残されたような静けさのなかにこの季語を配置することで、古典的な情緒を現代の感性に引き寄せて詠むことができます。

相性のいい言葉・取り合わせ

  • 静寂や自然の気配を表す言葉(「風の音」「夕暮れ」「草の原」「夜半」「露」)
  • 色彩や光の乏しさを表す言葉(「影」「月影」「薄暮」「枯色」)
  • 聴覚や動作に関する言葉(「かすかな声」「鳴きやむ」「隠れる」)

片鶉」の俳句例 (3件)

片うづら己が影をも恐るるか
高浜虚子【現代語訳】一羽きりの鶉が、寂しさや警戒心の強さからだろうか、自分の影にさえ怯えているかのように見える。【鑑賞】孤独ゆえに周囲の物音や気配に対して過敏になっている片鶉の様子を、優しくも鋭い視線で捉えた句です。「己が影」という言葉によって、鳥の持つ孤独の深さが心理的に描写されています。
片鶉月夜は草に隠れけり
与謝蕪村【現代語訳】一羽きりの鶉が、明るい月夜の光を避けるようにして、静かに草むらの中に身を隠していることよ。【鑑賞】煌々と照らす美しい月光と、それに対してひっそりと身を潜める片鶉のコントラストが見事な一句です。静寂の中に宿る、一羽の鳥の張り詰めた緊張感と孤独が視覚的に浮かび上がります。
片鶉声ばかりにて暮れにけり
加舎白雄【現代語訳】姿は見えず、ただ一羽で鳴く鶉の寂しげな声だけが聞こえるうちに、あたりはすっかり暮れてしまった。【鑑賞】夕暮れの光が消えゆく自然の移り変わりと、声だけが響く静寂を捉えています。目に見えない「片鶉」の存在が、読者の想像力を刺激し、より一層の哀愁を誘います。

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