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「猪口(いくち)」とは、秋にマツ林などの地上に発生するイグチ科の食用キノコの総称です。傘の裏側がヒダではなくスポンジ状の管孔(網目状)になっているのが大きな特徴で、代表的なものにアミタケやヌメリイグチなどがあります。表面に独特のぬめりがあり、煮物や汁物にするとつるりとした滑らかな舌触りと豊かな秋の風味が楽しめます。名前の由来は諸説ありますが、猪の口元に似ていることから名付けられたとも言われています。
酒器の「お猪口(ちょこ)」と混同しないよう、キノコであることが伝わる文脈作りが大切です。松林の湿り気や木漏れ日、落ち葉を踏みしめながらキノコ狩り(茸狩)をする山の情景や、採れたての猪口を汁物や和え物にして味わう山里の食卓など、自然の気配や五感(視覚・触覚・味覚)を具体的に描写すると季語の持つ素朴な魅力が引き立ちます。