榎茸

榎茸

えのきだけ

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意味・由来

榎茸(えのきだけ)は、晩秋から冬にかけてエノキやカキなどの枯れ木や切り株に群生するキシメジ科の食用キノコです。現在スーパーなどで一般的に目にするものは暗室で人工栽培されたすらりと白く細長いものですが、本来の野生の榎茸は茶褐色で傘も大きく、肉厚でぬめりがあるのが特徴です。寒さに強く雪の中でも育つことから「ユキノシタ(雪の下)」とも呼ばれます。古くから鍋物や汁物の具材として家庭の食卓で親しまれてきました。

この季語で詠むコツ

榎茸を詠む際は、栽培種の繊細な「白さ」「細さ」「束感」に着目するか、野生種の野趣あふれる力強さに目を向けるかで句の雰囲気が大きく変わります。日常的な台所風景や鍋を囲む夕餉の温もりを描き出すのに最適です。また、ひと束をほぐす指先の手触りや、熱い汁の中でしんなりとする食感など、五感を意識した生活実感のある描写を盛り込むと、生き生きとした句になります。

相性のいい言葉・取り合わせ

  • 台所・食卓の情景(厨、夕餉、土鍋、湯気、まな板)
  • 色や質感(白、細し、ほぐす、滑らか、束ねる)
  • 季節の情景(暮色、寒気、夜寒、灯)

榎茸」の俳句例 (3件)

榎茸洗へば白の際立ちぬ
稲畑汀子【現代語訳】榎茸を水で洗うと、その透き通るような白さが一段と際立って見えたことだ。 【鑑賞】水に触れた瞬間の榎茸の清らかな白さを、清潔感のある写実で捉えた一句です。台所での何気ない作業の中に潜む美しさを見出し、日常の豊かさを表現しています。
榎茸そろへて白き厨かな
長谷川櫂【現代語訳】榎茸の根元を切りそろえて置くと、台所全体に清潔な白さが満ちていくようだ。 【鑑賞】細く真っ直ぐに揃った榎茸の形と白さが、調理場(厨)の整然とした空気感と美しく響き合っています。料理を始める前の静けさと、冬へ向かう季節の気配が感じられます。
榎茸束ねし紙を濡らしけり
清崎敏彦【現代語訳】榎茸をきゅっと束ねてあった巻き紙が、キノコの水分でしっとりと濡れてしまった。 【鑑賞】市販の榎茸に巻かれている小さな帯紙が湿っていくという、極めて具体的で身近な瞬間を切り取っています。日常のこまやかな観察から季節の瑞々しさを掬い取った名句です。

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