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「揚羽子(あげばね)」とは、新年の伝統的な遊戯である羽根突きにおいて、羽子板で空高く打ち揚げられた羽根のこと、あるいは高く揚がる羽根の様子を指す季語です。羽根の重りに使われる無患子(むくろじ)の実には「子が患わ無い(病気をしない)」という意味が込められており、邪気を払って子どもの無病息災を願う正月の祈りと深く結びついています。新春の澄み渡った大空へ向かって、鮮やかな鳥の羽が回転しながら舞い上がる姿は、新しい年の幕開けにふさわしい晴れやかさと活気を象徴しています。
揚羽子を生き生きと詠むためには、「視線の高さ」と「音や動きの落差」を捉えることが大切です。羽子板が羽根を弾く「カーン」という乾いた快音の後、一瞬の静寂とともに羽根が天に留まるかのような浮遊感を描くと、情景が鮮やかに立ち上がります。また、見上げる子どもたちの瞳や着物の袂の翻りなど、人物の動作を添えることで、のどかな正月の情景に豊かな生活感と幸福感を宿らせることができます。
・空や光を表す言葉(初空、青空、日矢、冬日、新光) ・音や余韻を表す言葉(木霊、乾く、響く、澄む、音澄む) ・人の仕草や情景(仰ぐ、見失ふ、袂、笑い声、軒端)
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栞とせむと
銀杏散る
行く秋に
野菊のそつと
佇めり
色褪せし
沈黙残る
行く秋や
行く秋や
雑木林へ
日照雨して
行く秋や
漁の手袋
冷ゆるなり
山染めて
紅葉衣を
まといけり