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油菊(あぶらぎく)は、晩秋の山野や道端、土手などに自生するキク科の多年草です。「泡菊(あわぎく)」や「島菊(しまぎく)」とも呼ばれます。秋が深まる頃、枝先に直径1.5センチほどの小さな鮮やかな黄色い花を群がり咲かせます。花や葉に特有の油分を含み、古くは油を絞って灯火用に用いたり、油に浸して傷薬などの民間薬として重宝されたことから「油菊」の名がつきました。大輪の園芸菊とは対照的な、野趣に富んだ素朴で力強い姿が特徴の晩秋の季語です。
山裾の傾斜地や石垣の間など、やや寂しく乾いた晩秋の風景の中で、ひときわ明るく咲く黄色い小花の群れを捉えるのがポイントです。華やかな菊ではなく「野の菊」としての哀愁や逞しさ、日暮れの早さ、秋冷の空気感と組み合わせると情緒が深まります。花自体の小ささや密集感、特有の香気や油気、暮れゆく光の中での黄色い輝きに着目して詠むと効果的です。
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