俳句交流SNS「俳句びと」で、あなたの一句を投稿してみませんか?

無料登録
吟行2026年10月4日(更新: 2026年10月4日)

秋の彩りを詠む紅葉狩吟行ガイド|京都嵐山・日光・宮島の名所と、紅葉の句がありきたりにならない詠み方

俳句びと編集部

俳句びと編集部

執筆者

シェア:𝕏f
秋の彩りを詠む紅葉狩吟行ガイド|京都嵐山・日光・宮島の名所と、紅葉の句がありきたりにならない詠み方

紅葉を見に行くと、句が作りたくなります。けれども、できあがった句を読み返すと、「紅葉が美しい」「真っ赤な紅葉」と、どこかで見たような句になってしまう。そんな経験はないでしょうか。

紅葉は、あまりにも美しくて、あまりにも多くの人が詠んできた季語です。だからこそ、見方をひとつ変えるだけで、自分だけの句になります。

この記事では、紅葉の季語の使い分け、京都嵐山・日光・宮島の3つの紅葉名所の歩き方、そして、写真と一緒に句を詠むコツをご紹介します。

この記事でわかること

  • 紅葉の句がありきたりになる理由と、その抜け出し方
  • 「紅葉」「黄葉」「照葉」「散紅葉」など、紅葉の季語の使い分け
  • 京都嵐山・日光・宮島の紅葉名所の見どころと歩き方
  • 写真と一緒に句を詠むコツ
  • 蕪村・芭蕉の紅葉と秋の名句

吟行がはじめての方は、先に「初心者でも楽しめる「吟行」入門ガイド」をお読みいただくと、持ち物や歩き方のコツが分かります。

1. 紅葉の句が、ありきたりになる理由

紅葉の句がありきたりになるいちばんの理由は、「紅葉」という言葉が、すでに「美しい」という意味を持っているからです。「紅葉が美しい」と書くと、「美しいものが美しい」と言っていることになり、句のなかに何も新しいものが残りません。

季語には、それまでに多くの人が積み重ねてきた季節感や景色があります。そのため、季語がすでに伝えていることを、句の中でもう一度説明する必要はありません。

紅葉なら、「赤い」「美しい」「鮮やか」といった言葉をいったん外してみましょう。そうすると、その代わりに何を書けばよいのかが見えてきます。

では、何を書けばよいのでしょうか。紅葉そのものではなく、紅葉のそばにあるもの、紅葉が変えたものを書くのです。

山暮れて紅葉の朱を奪ひけり  与謝蕪村

山に日が暮れていく。夕闇が、紅葉の朱い色を奪っていった。

蕪村は、紅葉の色の美しさそのものではなく、その色が消えていく瞬間を詠んでいます。

紅葉を見ているのに、紅葉が見えなくなっていくところを詠む。そんな視点があるからこそ、景色をただ「きれい」と説明する句とは違った味わいが生まれます。

紅葉を見たら、まず「きれい」と思って大丈夫です。そのあとで、「では、その紅葉のそばに何があっただろう」と、もう一歩だけ目を動かしてみてください。

風の音、川の音、足もとの落ち葉、日が陰った瞬間、遠くの人の声。そこに、自分だけの句の材料があります。

与謝蕪村の俳人ページ

今すぐ一句詠んでみましょう

※俳句交流SNS「俳句びと」なら、詠んだ句をそのまま投稿して全国の仲間と共有できます

2. 紅葉の季語を使い分ける

紅葉にまつわる季語は、たくさんあります。いつ、どんな紅葉を見たかで季語を選び分けるだけで、句がくっきりします。

  • 薄紅葉(うすもみじ):秋。色づき始めの、まだ薄い紅葉
  • 紅葉・もみじ:秋。赤く色づいた葉
  • 黄葉(もみじ・こうよう):秋。黄色く色づいた葉
  • 照葉(てりは):秋。日の光に照り映える紅葉
  • 紅葉狩:秋。紅葉を見に山野へ出かけること
  • 紅葉且つ散る(もみじかつちる):秋。紅葉しながら、同時に散ってもいる様子
  • 散紅葉(ちりもみじ):冬。散った紅葉
  • 冬紅葉:冬。冬になっても残っている紅葉

季語を選ぶときは「何色だったか」だけでなく、「いつ見たか」にも注目してみましょう。

色づき始めなら「薄紅葉」、光を受けて輝いていたなら「照葉」、散り始めていたなら「紅葉且つ散る」。季節が進み、散った葉を見たなら「散紅葉」というように、目の前の景色に合わせて言葉を選べます。

散紅葉と冬紅葉は冬の季語です。季節の終わりの紅葉には、盛りの紅葉とは違う、名残や静けさがあります。

季語を詳しく調べたい方は、 梅・紅葉など季語の一覧もあわせてご覧ください。

3. 3つの紅葉名所と歩き方

① 京都・嵐山(天龍寺と嵯峨野)

嵐山は、平安時代から貴族たちが紅葉を楽しんだ場所です。渡月橋の向こうに、嵐山の山肌が紅葉で染まります。

天龍寺は、嵐電の嵐山駅のすぐ前にある臨済宗の大本山です。曹源池庭園は、嵐山を借景にした池の庭で、池のほとりから庭と山を一緒に眺めることができます。

吟行で訪れたら、ぜひ水に映る紅葉にも目を向けてみてください。

紅葉そのものだけではなく、水面の揺れ、風が止まった瞬間、池に落ちた葉など、少し視点をずらすと句の材料が増えていきます。

嵐山の中心は、紅葉の時期はたいへん混みます。天龍寺の北側から竹林を抜けて、奥嵯峨の落柿舎や二尊院へ向かう歩き方もあります。

二尊院の参道は「紅葉の馬場」と呼ばれる紅葉の名所です。

嵯峨野・落柿舎を訪ねる記事

紅葉の見ごろは年によって変わります。お出かけ前に、天龍寺や京都観光の公式情報で最新の紅葉情報をご確認ください。

② 日光(栃木県)

日光の紅葉は、標高の高いところから順に色づいていきます。奥日光の山々から、いろは坂、そして東照宮のある山内へと、紅葉が山を下りてくるのが特徴です。

そのため、同じ「日光の紅葉」でも、訪れる場所によって景色が変わります。

シニアの方が歩くなら、東照宮・輪王寺・二荒山神社のある日光山内を中心にする方法もあります。ただし、東照宮の境内には石段がありますので、歩く距離や体調に合わせて無理のないコースを選びましょう。

紅葉狩では、全部を見る必要はありません。

「今日はここまで」と決めて、一か所でじっくり景色を見るのも立派な吟行です。歩き続けるより、一つの景色を長く見ることで見えてくるものもあります。

芭蕉が日光で詠んだのは、夏の句

あらたふと青葉若葉の日の光  松尾芭蕉

『おくのほそ道』の旅で、芭蕉が日光に参拝したときの句です。

「日の光」に「日光」という地名がかけられているとされています。

芭蕉が日光を訪れたのは旧暦の4月、初夏のことでした。この句に詠まれているのも紅葉ではなく、青葉若葉です。

同じ日光の山を、芭蕉は青葉で詠み、私たちは紅葉で詠む。

季節が変われば、同じ場所でも目に入るものは変わります。芭蕉の句を知ったうえで日光を歩けば、「自分なら秋の日光をどう詠むか」と考えるきっかけにもなります。

松尾芭蕉の俳人ページ

③ 宮島・紅葉谷公園(広島県)

世界遺産の厳島神社がある宮島は、紅葉の名所としても知られています。厳島神社の裏手、弥山のふもとにある紅葉谷公園では、谷川や橋と紅葉が一緒に目に入ります。

宮島の紅葉の面白さは、海が近いことです。

山の紅葉だけを見るのではなく、海、空、鳥居、船、人の動きなどを一緒に見てみましょう。

紅葉の赤、海の青、鳥居の朱。ひとつの景色の中に複数の色があるため、紅葉だけを主役にしない句も作りやすい場所です。

宮島へはフェリーで渡ります。桟橋から紅葉谷公園までは歩いて向かいます。

紅葉の見ごろや園内の状況は年によって変わります。お出かけ前に廿日市市などの公式観光情報をご確認ください。

3つの名所に共通する注意

  • 紅葉の見ごろの週末は混雑します。平日の朝早い時間など、比較的歩きやすい時間帯を選びましょう。
  • 紅葉の季節の山は朝夕に冷え込みます。重ね着で調整できる服装がおすすめです。
  • 落ち葉の積もった石段や坂は滑りやすくなります。下りは特に注意し、必要に応じて手すりを使いましょう。
  • 写真を撮るときは周囲に注意しましょう。橋の上や石段の途中で立ち止まらないようにします。

4. 紅葉がありきたりにならない、詠み方のヒント

ヒント1:「赤い」「美しい」を使わない

紅葉という言葉のなかに、もう「赤い」「美しい」という印象があります。

この2つの言葉を、いったん句から抜いてみましょう。空いたところに、音、におい、手ざわり、時間など、実際に自分が感じたものを入れてみます。

ヒント2:色が変わる瞬間を詠む

蕪村の「山暮れて紅葉の朱を奪ひけり」のように、紅葉の色が変わる瞬間を探してください。

日が陰る。雲が通る。水に映る。夕暮れになる。

同じ紅葉でも、光が変わるだけで見え方は変わります。

ヒント3:散った紅葉、足もとの紅葉を詠む

木の上の紅葉は、多くの人が見ています。

そこで、足もとに散った一枚を見てみましょう。葉の裏、虫の穴、ぬれた石段に張りついた葉。上を見る人が多いところでは、下を見る。

ヒント4:紅葉以外のものを主役にする

紅葉の下を歩く人、紅葉を映す池の鯉、紅葉の中の鳥居、紅葉を背にしたお茶。

紅葉を背景に回して、別のものを主役にすると、紅葉そのものを説明しなくても、秋の景色が伝わります。

この道や行く人なしに秋の暮  松尾芭蕉

芭蕉の晩年の句です。

紅葉の名所では、人の多さに目が向きますが、少し道を外れると、静かな場所が見つかることがあります。

人のいない道、遠くから聞こえる声、夕方の光。そんな場所で、この句を思い出してみるのもよいでしょう。

「秋の暮」の季語ページ

5. 写真と一緒に句を詠む

紅葉狩では、写真を撮る方も多いでしょう。

写真と句を組み合わせると、句の作り方が少し変わります。

コツ1:写真に写っているものを、句で言わない

写真に紅葉が写っているなら、句で「紅葉が赤い」と書く必要はありません。

写真に写っていないものを句にしてみましょう。

音、におい、寒さ、そのときの気持ち、写真の外にあるもの。

たとえば、写真には山の紅葉しか写っていなくても、その場で聞こえていた川の音を句にすることができます。

谷川の音ばかりなる紅葉山  (編集部作例)

コツ2:写真は「寄り」、句は「引き」(またはその逆)

写真で一枚の葉に近づいて撮ったら、句では山全体や空を詠む。

逆に、写真で山全体を撮ったら、句では一枚の葉を詠む。

写真と句で、見ている距離を変えると、ひとつの作品に奥行きが出ます。

一枚の葉を撮った写真に、広い景色を想像させる句を合わせる方法もあります。

散紅葉拾へば空の高さかな  (編集部作例)

コツ3:写真を撮ったあとで、カメラをしまう

写真を撮ると、それで満足してしまうことがあります。

写真を撮ったら、一度カメラやスマートフォンをしまって、1分間、その景色を目で見てください。

写真には写らなかったものが、見えてきます。

風の冷たさ、葉の音、遠くの鐘、人の話し声、足もとの感触。

その一つを拾って、五・七・五に置いてみましょう。

写真と俳句は、同じものを説明する必要はありません。

写真が「見たもの」を残し、俳句が「感じたもの」を残す。そう考えると、写真俳句が作りやすくなります。

6. 天龍寺・日光東照宮・厳島神社の施設情報とアクセス

天龍寺(京都市右京区)

拝観時間 8:30〜17:00(受付終了16:50)
休み 年中無休
拝観料 庭園(曹源池・百花苑)高校生以上500円/小中学生300円(諸堂の参拝は300円追加)
アクセス 嵐電「嵐山駅」下車すぐ、JR「嵯峨嵐山駅」から徒歩約13分

日光東照宮(栃木県日光市)

拝観時間 9:00〜17:00(4月1日〜10月31日)/9:00〜16:00(11月1日〜3月31日)。受付終了は30分前
休み 年中無休
拝観料 大人・高校生1,300円/小中学生450円
アクセス JR日光線「日光駅」または東武日光線「東武日光駅」から東武バスで「神橋」または「表参道」下車、徒歩約5〜10分

厳島神社・紅葉谷公園(広島県廿日市市)

拝観時間 6:30〜18:00(季節により閉門時間が17:00〜18:00に変動)
休み 年中無休
昇殿初穂料 大人300円/高校生200円/小中学生100円(紅葉谷公園は入園無料)
アクセス 宮島口桟橋からフェリーで約10分「宮島桟橋」下車、徒歩約15〜20分

※お出かけ前に各施設の公式サイトで、開館時間・休館日・料金・交通情報をご確認ください。

7. 紅葉狩の旅に出かける

紅葉の季節は、一年で旅行の多い季節のひとつです。宿や交通は、早めの手配がおすすめです。

  • 京都:嵐山のあとは、東山の南禅寺・永観堂・哲学の道、洛北の金福寺などを訪ねる旅に。
  • 日光:鬼怒川温泉や、奥日光の中禅寺湖・湯元温泉に泊まる旅もあります。
  • 宮島:宮島に泊まれば、夜や早朝の静かな時間に紅葉を楽しむ旅もできます。

京都方面をさらに歩いてみたい方は、 哲学の道の記事や 金福寺の記事もあわせてご覧ください。

個人で計画を立てるのが不安な方は、添乗員が同行するツアーを使う方法もあります。

JTB旅物語の紅葉旅行を探す

よくある質問

紅葉の俳句が、ありきたりになってしまいます。どうすればいいですか

「赤い」「美しい」という言葉を使わずに、紅葉の色が変わる瞬間、足もとに散った一枚、紅葉のそばにある別のものを詠んでみてください。

紅葉という季語が持っている季節感を、句のなかでもう一度説明する必要はありません。音、におい、寒さ、人の動きなど、自分がその場で感じたものに目を向けてみましょう。

紅葉の季語には、どんなものがありますか

秋の季語に「薄紅葉」「紅葉」「黄葉」「照葉」「紅葉狩」「紅葉且つ散る」、冬の季語に「散紅葉」「冬紅葉」などがあります。

見た時期と紅葉の様子によって使い分けると、句がくっきりします。

写真と一緒に俳句を詠むコツはありますか

写真に写っているものを句で説明するのではなく、写真に写っていないものを詠んでみましょう。

写真で近くを撮ったら句では遠くを、写真で遠くを撮ったら句では近くを詠む、と距離を変える方法もあります。

芭蕉は日光で、紅葉の句を詠みましたか

芭蕉が日光で詠んだ「あらたふと青葉若葉の日の光」は、紅葉ではなく、初夏の青葉の句です。

『おくのほそ道』の旅で、旧暦の4月に日光を訪れたときの句とされています。

8. まとめ

紅葉は、誰もが美しいと知っている季語です。

だからこそ、「美しい」と書かずに、何を書くかが、句の分かれ道になります。

色が消えていく夕暮れ、足もとの一枚、写真には写らなかった音。

今年の秋は、紅葉を見上げたあとで、一度、足もとを見てください。そして、写真を撮ったら、カメラをしまって、1分間、目で見てください。

「何を見たか」だけでなく、「そのとき何を感じたか」を一つだけ拾ってみましょう。

それだけでも、誰かの句ではない、自分の紅葉の句に近づいていきます。

吟行の持ち物や歩き方のコツは、 初心者でも楽しめる「吟行」入門ガイド でご紹介しています。

詠んだ句を、誰かに読んでもらいませんか

吟行で生まれた句は、その日の風や光がそのまま入った一句です。

俳句びとは、俳句を楽しむ方が集まる無料の交流の場です。

  • 写真と一緒に、気軽に句を投稿できます
  • ほかの方の句を読んだり、感想を伝えあったりできます
  • AIによる添削のアドバイスも、無料でお使いいただけます

無料で登録して、一句投稿してみる

あなたも一句詠んでみませんか?

「俳句びと」は、俳句を愛する人々が集うSNSです。日々の感動を十七音に込めて、全国の仲間と共有しましょう。

会員登録は無料 / 50代〜80代の方に大人気

この記事が参考になったらシェア

シェア:𝕏f

関連記事

俳句交流SNS「俳句びと」

全国の愛好家と作品を共有しよう

ログイン