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「巣引雀(すびきすずめ)」とは、春になってつがいとなった雀が、巣を作り、卵を産んで雛を育てる一連の営みのこと、あるいはその時期の雀そのものを指す季語です。「巣引き」とは鳥類が繁殖活動に入ることを意味します。雀は身近な人家の軒先や瓦の隙間、雨どいなどに巣を作るため、枯れ草や藁などを一生懸命にくわえてせわしなく飛び交う姿は、春の訪れと生命の活力を強く感じさせる風物詩として古くから親しまれてきました。
巣引雀を詠む際は、雀たちの「小さくも懸命な動き」を具体的に写生するのがポイントです。くちばしに巣材をくわえて運ぶ様子や、つがいで仲良く鳴き交わす姿、軒先を忙しく出入りする様子に焦点を当てると、生き生きとした句になります。親雀の健気さや、身近な暮らしの中にある春の温もりを丁寧に描写してみましょう。
・軒、瓦、雨どい(生活感のある営巣場所) ・藁、羽毛(運んでいる巣材の描写) ・日差し、陽だまり、庭先(春の長閑さを引き立てる無季・春の情景語)