落栗

落栗

おちぐり

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意味・由来\n「落栗(おちぐり)」は、秋が深まり熟して自然に木から地面へと落ちた栗、あるいはそれが地面に転がっている様子を指す晩秋の季語です。イガごと落ちるものもあれば、実だけがはじけ飛んで落ちるものもあります。古くから山里の豊かな実りや、静かな秋の深まりを象徴する風物詩として親しまれてきました。\n\n### この季語で詠むコツ\n地面に落ちた栗そのものの艶やかな色合いや丸み、割れたイガのトゲトゲしさといった「視覚」の描写はもちろん、「ポトッ」「コトン」と静寂のなかに響く落下音などの「聴覚」を捉えると、より臨場感が出ます。また、早朝の澄んだ空気や露で濡れた湿り気、拾い上げた手のひらに伝わる重みなど、五感を活かして詠むのがポイントです。\n\n### 相性のいい言葉・取り合わせ\n・音に関する言葉(コトン、静けさ、夜の雨、風)\n・場所や環境に関する言葉(山道、苔、庭、朝露、窪み、石だたみ)\n・動作に関する言葉(拾ふ、かがむ、手にとる、踏む)

落栗」の俳句例 (3件)

落栗の座を定むるや窪み哉
内藤丈草【現代語訳】木から落ちた栗が、地面を転がってちょうどいい窪みにすっぽりと落ち着いたことだなあ。\n【鑑賞】落ちた栗が地面の窪みにピタリと収まった一瞬を捉えた、蕉門の名匠・丈草の代表句です。栗自身の意志で居場所を決めたかのようなユーモアと、静寂の中で転がる栗の微かな動き・静止の対比が見事に表現されています。
落栗や夜の間に落ちしものばかり
高浜虚子【現代語訳】朝、庭に出てみると栗が落ちている。どれも昨夜のうちに落ちたものばかりである。\n【鑑賞】朝の光の中で、夜の静けさや夜風の気配を落ち栗から感じ取っている句です。当たり前の日常の風景をありのままにスケッチ(客観写生)しながらも、夜の時間の経過や深まりゆく秋の情趣がじんわりと伝わってきます。
朝風に落栗拾ふ袂かな
与謝蕪村【現代語訳】心地よい朝風が吹くなか、着物の袂(たもと)を押さえながら落栗を拾っていることだ。\n【鑑賞】朝の爽快で少し肌寒い空気のなか、かがんで栗を拾う人物の動作や衣服の揺れが目に浮かぶ絵画的な名句です。風に翻る「袂」という具体的なディテールが、山里の清々しい秋の情景を際立たせています。

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