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「南部暦」は、旧南部藩(現在の岩手県や青森県の一部)で作られ、親しまれた新年の暦のことです。最大の特徴は、文字が読めない庶民でも日柄や農作業の時期、吉凶が直感的に分かるように、独自の絵文字や判じ絵を用いて描かれた「盲暦(絵暦)」である点です。ユーモアに富んだ絵柄の数々は、民間信仰や庶民の生きる知恵と深く結びついており、みちのくの素朴な温もりを伝える新年の季語として大切にされてきました。
南部暦の魅力は、その愛らしい絵柄と、北国の厳しい寒さの中で春の訪れを心待ちにする人々の生活感にあります。単に暦そのものを説明するのではなく、薄暗い部屋の壁に掛けられた様子や、囲炉裏の火に照らされながら家族で絵を読み解く団欒のひとこまなど、暮らしの体温を感じさせる情景を描き出すと味わい深くなります。雪国の静けさと、絵暦が持つどこか長閑で滑稽な味わいを取り合わせるのも効果的です。
・北国の生活を思わせる言葉:囲炉裏、土間、雪明かり、煤けた柱、藁 ・絵暦の情景を伝える言葉:判じ絵、読み解く、指差す、柱の釘、めくる ・新年の情感を表す言葉:初明かり、春待つ、初日、神棚