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「町汁(まちじる)」は、新年の初集まりや年始の挨拶回りの際に、町内や共同体で大勢の人々に振る舞われた汁物のことです。主に江戸時代、町役人や世話役の家、自身番などに年始の挨拶に来た町の人々や火消したちに対し、大鍋で仕込んだ温かい汁を振る舞った風習に由来します。具材は大根、牛蒡、豆腐、油揚げなどをたっぷりと入れた味噌汁や粕汁が多く、寒さ厳しい正月に、地域の親睦や互いの無病息災を喜び合う下町情緒あふれる新年の季語です。
「町汁」を詠む際は、大鍋から立ち上る湯気の温かさと、新春の引き締まった寒気との鮮やかな対比を意識すると臨場感が出ます。また、料理の味そのものだけでなく、年始の挨拶を交わす人々の晴れやかな笑顔や、路地に響く笑い声など、庶民的な生活感や温かい人情を描き込むことで、季語の持つ素朴な味わいがぐっと引き立ちます。
・大鍋(おおなべ)、大椀(おおわん)、杓子(しゃくし)、立ちのぼる湯気 ・長屋、路地、自身番、初寄り、年始回り ・息白し、初日、寒風、門松、笑い声