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「鞠始(まりはじめ)」とは、新年に初めて蹴鞠(けまり)を行う宮中や神社の儀式・行事を指す新年の季語です。平安時代から続く伝統的な風習で、古くは正月四日に行われていました。現在でも京都の下鴨神社などで新春の神事として執り行われています。烏帽子(えぼし)に水干(すいかん)という華麗な平安装束に身を包んだ人々が輪になり、鹿の革で作られた鞠を地に落とさぬよう右足の甲で蹴り上げます。勝ち負けを競うのではなく、相手が受け取りやすい鞠を返し合うという、平和で風雅な精神が込められた美しい新年行事です。
王朝絵巻のような優雅さと、新春の清らかな緊張感を意識して詠むのがポイントです。鞠が冬の澄んだ青空へ弧を描いて吸い込まれていく様子や、鞠を蹴るときの革の乾いた音、鞠足(まりあし)たちの軽やかな身のこなしなどに焦点を当てると情景が鮮やかに浮かびます。また、蹴る際に発せられる独特の掛け声に着目するのも聴覚的な広がりを生み、臨場感ある句に仕上がります。
・装束に関する言葉:烏帽子、水干、袴、鞠沓(まりぐつ) ・場や景色の描写:神苑、白砂、玉砂利、社頭、青空、初日、寒晴 ・動作や音:掛け声(アリ、ヤア、オウ)、革の音、放物線、ひるがえる袖