唐藷
autumn 生活

唐藷

からいも

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意味・由来

「唐藷(からいも)」は、一般に「サツマイモ(薩摩芋)」として知られるナス目ヒルガオ科の植物の塊根を指す秋の季語です。中国(唐)から琉球を経て薩摩(鹿児島)へと伝わった歴史から、「唐の芋」という意味でこの名がつきました。江戸時代に飢饉を救う作物として青木昆陽らによって全国に広まり、庶民の貴重な食糧として親しまれてきました。秋の収穫期を迎えると、ふっくらとした大地の恵みを感じさせ、どこか素朴で温かい印象を与えます。

この季語で詠むコツ

唐藷を詠む際は、単に食べる美味しさや収穫の喜びだけでなく、畑で収穫する際の土の匂いや蔓を力強く引っ張るダイナミックな動き、または家庭で煮たり焼いたりするときの温もりなど、五感を意識して描写するのがコツです。庶民的で温かみのある響きを持つ言葉なので、日々の生活の情景や、家族のだんらんの風景によく調和します。

相性のいい言葉・取り合わせ

  • 動作・状態: 掘る、煮る、焼く、蔓(つる)を引く、土まみれ
  • 情景・自然: 夕暮れ、夕日、夜寒(よさむ)、囲炉裏、畑、煙
  • 感情・人物: 家族、子供、温もり、素朴、安らぎ

唐藷」の俳句例 (3件)

唐藷を煮るや夕日の二畳敷
正岡子規【現代語訳】唐藷(さつまいも)をコトコトと煮ていると、夕日が私の狭い二畳の部屋を赤々と照らし出している。【鑑賞】子規が病床(二畳の庵)で送る、静かでささやかな日常を詠んだ句です。安価で素朴な唐藷を煮るという生活感の中に、差し込む夕日の美しさが重なり、狭い部屋がじんわりとした温かさに包まれていく様子が伝わってきます。
唐藷の蔓引き寄する力かな
正岡子規【現代語訳】唐藷(さつまいも)の長く力強く伸びた蔓を、ぐっと引き寄せる時のその確かな力の手応えよ。【鑑賞】地中に眠る唐藷を収穫するため、生い茂る蔓を力いっぱい引っ張る農作業のたくましい一瞬を捉えています。生き生きとした大地のエネルギーと、人間の身体的な充実感が心地よく響き合う名句です。
唐藷を煮る火の赤き夜寒かな
飯田蛇笏【現代語訳】唐藷を煮るために熾した炉の火が赤々と燃えており、その暖かさが、かえって周囲に忍び寄る夜の寒さを引き立てている。【鑑賞】「夜寒(よさむ)」という秋の深まりを感じさせる冷気の中で、唐藷を煮る炎の赤さが視覚的にも体感的にも温もりをもたらしています。田舎の静かな夜の冷たさと、炉端の温かい生活感が実に見事に対比されています。

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