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蝶夢

ちょうむ

作風・特徴

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代表句 (5件)

鴫の羽盛夕汐みつる渚かな
季語: 鴫の羽盛 (autumn)
【現代語訳】鴫の羽が生え揃う頃、夕方の満ち潮が静かに渚へと満ちてくることだ。【鑑賞】満ちてくる潮の水面のきらめきと、そこに遊ぶ鴫の美しい羽色が重なり合い、秋の渚の清澄で静謐な美を余すところなく描き出しています。
水引いて竹生島祭近きかな
季語: 竹生島祭 (autumn)
【現代語訳】秋になって琵琶湖の水位が下がり、引き潮のように澄み渡ってくるにつれて、竹生島祭の日が近づいてきたことが感じられる。 【鑑賞】江戸中期の僧侶・俳人である蝶夢の句。秋になって琵琶湖の水位が落ち着き、清らかに澄んでいく自然の変化を通して、近づく竹生島祭への心待ちの情を詠んでいます。湖国の季節の移ろいと人々の暮らし・信仰が自然に結びついた名句です。
後の灸すゑて身軽き月見かな
季語: 後の二日灸 (autumn)
【現代語訳】秋の二日灸を据えたおかげで体もすっきりと軽くなり、今宵の月見を清々しい心持ちで楽しむことだ。 【鑑賞】旧暦八月の年中行事である灸治を済ませ、心身ともに身軽になって仲秋の名月を愛でる喜びを詠んでいます。健康を願う素朴な庶民の暮らしぶりと、秋の風流な行事である月見とが自然に結びつき、晴れ晴れとした爽快感が漂います。
福王子や祭のあとの葛の花
季語: 福王子祭 (autumn)
【現代語訳】福王子神社のあたりを訪れると、祭りが終わったあとの野辺に、葛の花が静かに咲き残っている。【鑑賞】洛北の山里らしい素朴な秋の景を詠んでいます。華やかな祭りの名残と、道端にひっそりと揺れる秋草・葛の花の取り合わせが、哀愁と旅情を誘います。
二季鳥や雨ふる山に入日さす
季語: 二季鳥 (autumn)
【現代語訳】二季鳥の声が響くなか、秋の冷たい雨が降る山肌に夕日がさし込んでいる。 【鑑賞】薄暗い雨雲の切れ間からふいに射し込む夕日の光と、山あいに寂しげに響く二季鳥の声との対比が鮮やかです。視覚と聴覚が美しく調和し、秋の夕暮れの神秘的かつ寂寞とした自然の風情を巧みに描き出しています。