猫の夫

猫の夫

ねこのおっと・ねこのつま

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意味・由来

「猫の夫(ねこのおっと、ねこのつま)」は、春の発情期に雌猫を求めてさまよう雄猫、あるいはその相手となる猫を指す春の季語です。「猫の恋」の傍題(関連季語)の一つでもあります。古語の「夫(つま)」は配偶者や恋人を意味し、男女どちらにも使われましたが、俳句においては恋に身を焦がして歩き回る雄猫を指すことが多くあります。春の夜に響く独特の鳴き声とともに、恋のために精悍になったり、あるいはやつれたりしながらも懸命に生きる猫の姿は、古くから春の風物詩として親しまれてきました。

この季語で詠むコツ

「猫の恋」という季語が恋の情景や行為そのものを広く包み込むのに対し、「猫の夫」は一匹の猫そのものに焦点を当てられるのが大きな特徴です。恋敵との喧嘩でできた耳の傷、鋭い眼光、塀伝いに歩く引き締まった背中など、雄猫の具体的な姿や行動を写生するように切り取ると実感がこもります。どこか人間味のある哀愁や滑稽さ、あるいは野生の本能を感じさせるたくましさを引き出すように詠むと、深みのある一句になります。

相性のいい言葉・取り合わせ

・屋根、土塀、路地、裏木戸(猫が歩き回る生活感のある場所) ・傷、まなざし、足音、痩身(恋に生きる猫の肉体的な特徴) ・朧月、春の闇、春泥、春雨(夜の逢瀬や春特有の湿り気を帯びた情景)

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