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「御籤奪(みくじうばい)」は、冬の季語で、奈良県桜井市の大神神社(三輪明神)などで旧暦十二月に行われていた特殊な神事に由来します。翌年の神事をつかさどる役職や当番などを決定するため、神前に供えられた御籤を氏子や神職たちが奪い合った儀式です。単なる吉凶を占うおみくじとは異なり、神慮を授かるための真剣かつ激しい熱気にあふれた行事であり、古風な厳粛さと人々の躍動感が入り混じる冬の季語として詠まれてきました。
「冬の底冷えする静寂」と「籤を奪い合う人々の激しい動感」というコントラストを意識して詠むのがコツです。夜の境内の冷たい空気、篝火や灯明の揺らめき、神職や男たちの荒い息遣いや衣の擦れ合う音など、五感を刺激する具体的な描写を取り入れることで、神事の臨場感や神聖な迫力が立ち上がります。
・空間・情景:階(きざはし)、拝殿、篝火、玉垣、闇、白足袋 ・動作・気迫:奪ふ手、息白し、影走る、揉み合ふ、喚声 ・季節・時間:寒夜、冬深し、夜気、冴ゆる、霜