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「事始(ことはじめ)」は仲冬の季語で、十二月十三日を指します。古くはこの日を「正月事始め」と呼び、新しい年を迎える準備を取り掛かる日とされていました。江戸時代には、この日に江戸城で「煤払い(すすはらい)」が行われたことから、庶民の間でも門松にする木を山へ採りに行く「松迎え」など、正月支度が本格化しました。一年を無事に締めくくり、新たな年の神様をお迎えしようとする、活気と少しの緊張感が漂う節目の一日です。
「事始」を詠む際は、年末の慌ただしさの「始まり」という気分や動作を捉えるのがコツです。まだ大晦日のような切迫感はなく、「いよいよ今年も締めくくりに向かうぞ」という前向きな意気込みや、家庭や町の細やかな変化を描くと生き生きとした句になります。道具を引っ張り出す様子、乾いた冬の風の音、人の声や家々の匂いなど、五感を働かせた具体的な生活描写を取り合わせると、季語の持つ活力や風情が引き立ちます。
・生活の道具や動作:「箒(ほうき)」「梯子(はしご)」「縄」「蔵を開く」「買い出し」 ・情景や自然:「寒晴(かんばれ)」「青空」「埃(ほこり)」「日差し」 ・気持ちや町の様子:「賑わい」「襷(たすき)」「声」「足音」