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萱(かや)とは、古くから茅葺き屋根の材料として利用されてきたススキやチガヤ、スゲなど、イネ科やカヤツリグサ科の草の総称です。「萱茂る」は、初夏から夏にかけて強い日差しと雨を浴び、原野や川の堤防、空き地などで青々とした萱が生い茂る様子を表します。夏の自然が持つ圧倒的な生命力のたくましさを象徴する一方で、人の手入れが届かなくなった土地の寂寥感や、荒涼とした野趣を醸し出す季語でもあります。
単に「草が生い茂っている」という見た目だけでなく、五感を働かせて詠むのがポイントです。背丈ほどに伸びた萱の葉が擦れ合うざわめきや、葉の鋭い緑、茂みの奥にある濃い影などを捉えると臨場感が増します。また、茂みの向こうに隠れそうな古寺、道標、石仏、あるいは遠くの山並みなどと取り合わせることで、自然の勢いと時の移ろいを効果的に対比させることができます。
・堤、土手、廃屋、古道(自然が侵食していく場所) ・風、夕立、青空、強日(夏の天候や光) ・埋もる、隠す、遮る、擦れ合う(萱の背丈や茂みを感じさせる動詞) ・石仏、道標(萱に覆われゆく人工物)