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「招虫(おぎむし)」とは、水辺に生える荻(おぎ)や葦などの茎の中に潜んでいる蛾の幼虫(メイガの類)を指す夏の季語です。「荻虫」とも書きますが、荻の葉が風になびく姿が手招きをしているように見えることから「招虫」の字が当てられました。かつては清流釣りの貴重で食いつきのよい釣り餌としても重宝され、初夏から夏にかけて荻の茎を割って採取されました。青々と茂る水辺の草むらの奥に潜む、小さく素朴な命の気配を伝える風情ある言葉です。
虫自体の姿形をそのまま細かく描写するよりは、この虫が潜む環境や採取する動作に焦点を当てると詩情が生まれます。たとえば、涼しげな川辺の風や、青々とした荻の茂み、釣り人が小刀で茎を割る真剣な手もとなど、周囲の情景と組み合わせるのが効果的です。夏の水辺の静けさと、茎の中に小さな命が息づいている不思議さに思いを寄せて詠んでみましょう。
・自然や水辺の言葉:川風、清流、川原、青葉、岸辺、真昼 ・動作や生活の言葉:節を割る、釣り竿、小刀、手のひら、探る