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「肇秋(ちょうしゅう)」とは、秋の初め、陰暦七月(初秋)を意味する時候の季語です。「肇」という漢字には「はじめる」「はじまり」という意味があり、「肇秋」で「秋の始まり」を格調高く表します。「初秋(しょしゅう)」「新秋(しんしゅう)」「孟秋(もうしゅう)」などと同様の時期を指しますが、漢語由来の引き締まった重厚な響きを持ち、どこか厳かさや清浄な気配を漂わせるのが特徴です。立秋を過ぎて暦の上で秋を迎えた頃の、微かに感じられる大気の変化や、季節の移ろいに対する改まった感慨を込めて用いられます。
「肇秋」は漢字の持つ印象が硬質で格調高いため、あまり日常的でくだけた事柄を合わせるとちぐはぐな印象になりがちです。澄み始めた青空、朝夕の涼風、ふと目にとまった草木の小さな変化など、静寂や清々しさを伴う景と合わせると季語の気品が引き立ちます。また、文字通り「秋の幕開け」を告げる季語ですので、暑さの中に忍び寄る凛とした気配を捉えることで、深まりゆく季節への期待や微かな緊張感を効果的に表現することができます。
・空や光を描く語:「青空」「雲」「朝光」「夕茜」「日ざし」など、澄みゆく大気を感じさせる言葉。 ・風や気配を描く語:「風渡る」「水引草」「露」「朝夕」「冷やか」など、季節の変わり目の繊細な変化を捉える言葉。 ・格調を高める動詞・名詞:「改まる」「鎮もる」「静けさ」「山河」「古刹」など、厳かな雰囲気を後押しする言葉。